情報収集についてNo1〜言語聴覚士のお仕事〜

情報収集についてNo1〜言語聴覚士のお仕事〜

新人のセラピストにとって、やっと半年が経った今日この頃、担当している患者さんや利用者さんについて悩み深い日々を送っているのではないでしょうか。最近はコミュニケーションに苦手意識があって、職場の先輩に相談したり、他の職種の人から情報収集することを躊躇するセラピストも多いと聞きます。

私が言語聴覚士になったころは、ほとんどの職場は「新規開設」で、「言語聴覚士ってなに??」という周囲の視線を感じながら、こんなお仕事します!と説明することから始まりました。もちろん先輩なんていなくて、自分が積極的に学びに行かなければならない状況でした。もちろん職場でも他職種の方から必死で情報収集して学ぶ日々を送っていました。なので、一人職場を経験した言語聴覚士さんは、自然に情報収集に長けてるのではないかと推察しています。

情報収集に関する7つの習慣

さて、現在は、多くの職場で言語聴覚士が複数いる時代となりました。今回、新人向けに「情報収集」というテーマで話をすることになりました。どのようにお伝えしたらいいか悩みましたが、こちら7つの習慣のボードゲームに参加したことをきっかけにこの本を改めて読み返し、私自身の思考がすっきり整理されました。

7つの習慣にそって考えてみると、こうなりました

  1. 主体性を発揮する・・自ら責任感をもって情報を取りに行く!
  2. 終わりを描くことから始まる・・患者さん、利用者さんのリハビリゴールは何か?
  3. 最優先事項を優先する・・何に焦点をあててリハビリプログラムを立てるか?
  4. win-winを考える・・障害をもった当事者の希望だけでなく、家族や周囲の人は何を望んでいるのか?
  5. 理解して理解される・・まずは自分がどんな情報が何のために必要か理解できているか?
  6. シナジーを創り出す・・時代はチームアプローチ。情報を自らが発信することでさらに情報収集がしやすくなります
  7. 刃を研ぐ・・経験した症例の数に比例して、情報収集の重要性が理解でき、さらに内容が深まります
完訳 7つの習慣―人格主義の回復
スティーブン・R. コヴィー
キングベアー出版
売り上げランキング: 1,551

情報収集は何のため?

では、この7つの習慣で一番大切なものはなにか?それは「終わりを描くことから始まる」です。私たちがリハビリをするときに必ず考えなくてはならないのは、「リハビリゴールは何か?」、情報収集とは、このゴール設定をあやまらないためのものであると考えます。

例えば、軽い構音障害を呈したAさん。音が歪んだりかすれるので、聞き手は時々「え?」と聞きなおしたり、前後の会話の内容から推測する必要があります。若手の営業マンであるAさんは「しゃべりにくいから非常に困っています。なんとかしてください。」とあなたに訴えます。一方、同じくらいの構音障害の人のBさんは「まったく困ってません。リハビリは結構です」といいます。医師から処方がでたからといって、同じように評価、訓練するわけにはいかないですよね。「発話が明瞭になること」という曖昧なゴールではなく、二人にとって「どういう場面で、どのように話ができたらいいのか?」を考えて具体的にゴールを設定しなくてはいけません。そのためには「この人はどんな生活を送ってきた人で、このあとどうなりたいのか?」さらに当事者だけでなく、家族や周囲の人の希望は何かについても情報収集をしなくてはいけません。

例えば、

  • Aさんは、仕事で得意先に電話を頻繁にかける、そこで大切な商談もすることがある。発話が病前と同じくらい回復しないと仕事にならないと訴えています。しかし、来院した上司によるとメールなど他の手段で代行できるとのことです。この場合、もちろん明瞭度の改善は必須ですが、万が一の場合、メールで商談の確認ができます。ゴールは「電話で簡単な商談ができる」となります。
  • Bさんは一人暮らしでほとんど誰とも会話をしない、リハビリなんて面倒なことは大嫌いと拒否。離れて暮らす家族に聞くと、経済的に苦しくてリハビリに払うお金がないとのこと。この場合「発話明瞭度の改善」はゴール設定とはなりにくいものです。関係者の方に「ちょっと聞き取りにくいことがあるかもしれません」とお知らせして「周囲の理解を得る」ことがゴール設定となります。

同じ障害でも、ゴールは人それぞれです。ひとりよがりのリハビリにならないために情報収集は必須と考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)