重症のまま、リハビリ病院へ転院となった〜高次脳機能障害者の声なき声〜

重症のまま、リハビリ病院へ転院となった〜高次脳機能障害者の声なき声〜

20日間意識不明だったが、毎日のようにリハビリがあったらしいが、全く覚えていない。ちょうど一ヶ月たってから、リハビリ病院に転院した。あの時は、病院の車で送ってもらい、主治医と話をした。僕はものすごく疲れて、すぐにベットに横になって眠った。次の日からリハビリが始まった。PT(理学療法士)の先生が、まず、ベットに座ってくれと言った。まだきちんと座れなくて、その場で転んだ。僕はこのままどうなるのだろう?と思った。ふと、子供達の顔が浮かんだ。小さい子供達がかわいそうだと思った。先生に「なんとか歩かせて欲しい」と頼んだ。先生は「絶対に歩かせてみせます。その代わり、絶対に文句を言わないでください」と言った。次の日からリハビリは一変した。

彼は、ある日、突然、右脳の広範囲の出血で倒れました。20日間も意識障害が残存し、平均の在院日数を超えても、搬送された脳外科病院に入院せざるを得ないほど重症でした。このPTの先生が言ったベットに座ってくれとは、ベットに腰掛けて足を下におろす姿勢です。麻痺がある左に姿勢が傾き、自分で体をささえることができなかったのです。

この文章で、私が感動したのは、患者さんに対して、理学療法士の先生が「歩かせてみせます」とコミットしている場面です。実際、彼は歩けるようになりましたが、転院時はかなり重度です。患者さんにコミットするということは、正確な評価と訓練プログラムの立案、予後予測という、セラピストとしての知識と技術が必要です。そして、患者さん、家族さんに言ったからには、重大な責務を負うことになります。

「目標が達成できなかったら・・」それが怖くて、予後予測を低く想定するセラピストはいませんか?

私も時々、難症例ではあるが、リハビリしだいで「食べられる」「話せる」「仕事に戻れる」と思える患者さんや家族さんには、必ずコミットします。患者さんも必死なのですから、セラピストも、なにがなんでも達成させたいという真剣な思いで臨床に立たなければならないと、改めて思いました。

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