人情あふれる医師の物語〜私が読んだ本〜

人情あふれる医師の物語〜私が読んだ本〜
先日学会で素晴らしい講演を聞きました。脳卒中患者の障害受容と受容過程についてです。研究方法は、ずばり
本人にずばり「障がいのある今の状況を受け入れているのかどうか?」と聞き取り、
そして障がいを受いれていると言う人に対して「ではもし治る手段があるとしたらどうする?」と聞く
こんな質問、コンプライアンスだ、接遇だと言う時代にできませんよね?
文字つらだけを追うと、よく質問できたものだと思いますが・・ご本人を見ると
「あ、この医師ならできるよね・・・」と納得。それほど人情味あふれるドクターでした。
こうした質問ができるだけの患者さんと家族さんとの信頼関係を築いているのが、よくわかる!
講演が終わるとすぐに、「とても感動しました。あの質問ができる人は非常に稀だと思います。貴重な知見ありがとうございます」と感想をお伝えしました。
するととても気さくに、著書をいくつかの紹介して下さいました
そして!!
「これは、絶版になってるからな・・そうだ、送るよ」とおっしゃって
本当に数日後に郵便物が!!

私などにわざわざと感動して、本を手に取り読み進めました。

お・・おもしろい!
お茶の間ドラマを見てるような語り口で・・臨場感あふれる!

そして、看護師長とのやり取りが、絶妙!ずけずけ指摘され、ぐぐっと気持ちを落ち着かせ・・その場面が眼に浮かぶようです。この看護師長さんもとてもすばらしいのです。よくよく患者さんを観察し、心に寄り添っています。

言いにくいことでもグイグイ話を進めている岡本先生ですが、医療に携わる者が読めば、いかにこの中で医師が実践していることが難しいことかは想像できるかと思いますが。以下、岡本先生のお言葉です。
多くのリハ関係者は「障がいの受容ができていない」と言うときは、否認期の段階で患者さんが認めたがらないときに言います。これは100%間違いです。肯定したくないときですから聞いてくるのです。それをまじめに良くならないと話すと、ますます混乱させ、否認の穴蔵に閉じ込めます。抑うつ状態をさらに強めます。患者さんの話をよく聞くこと、世間話でもして仲良くすることです。これでどれだけ心が落ち着くでしょうか。
以前、コミュニケーションの講座で
「正しいことを言えばいいってものではない」と習いました。まずは人間関係の構築です。あたりまえですが、信頼できない人の話は聞き入れたくありません。
障害をみるのではなく、障害を持った人として見る・・今の医療で、見落としがちな視点です。
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