言葉が話せなくても、価値ある存在です~「失語症を解く」ブックレビュー
言語聴覚士の大先輩である、関啓子先生著のこちらの本。
先生がであった患者さんを通して
- 失語症とは何か
- 脳の仕組み
- どのような言語療法があるのか
- 失語症者は何に困っているのか
- 失語症以外の高次脳機能障害
こうした医学的な解説が、書かれています。失語症の方にかかわる支援職の方に、ぜひ読んで頂きたい本です。
堅苦しい学術書の感じはなく、先生と患者さんとのやり取りから、言語聴覚士として生き生きと働いている先生の像が浮かび上がってきて、楽しく読み進められると思います。
この本を通じて、私がお伝えしたいのは
- 失語症は「聞く」「話す」「読む」「書く」のすべてが難しくなる障害である
- 知的機能と関係がない
- ことばが伝えられなくて、一番困っているのは本人
- 長期にわたって回復する
そして
人生経験はちゃんと残っている
この本の最後にこう書かれています。
失語症を持つ人も、コミュニケーションに制限はあるものの、たくさんの経験を積み重ねた価値ある存在なのです。この当たり前のことを最後に再確認して、この本を閉じたいと思います。
さて、この本でも、先生は「熱い人」と言われ、それがはやりでなくても「熱い人でいたい」とあります。
私なんて、暑苦しいくらいですが、やっぱりこの仕事が好きなので、いつまでも、情熱をもって、言語聴覚士として社会に関わっていきたいなと思っています。
ブックレビューの動画はこちら→失語症が解る!ブックレビュー
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