わかっているのに、うまく説明できない ——中学1年生の女の子の話

「ちゃんと分かっているはずなのに、説明しようとすると言葉が出てこない」
これは、子どもに限らず、大人でも感じることのある感覚です。
今回紹介するのは、オンラインで支援をしている中学生のエピソードです。彼女をもとに「うまく説明できずに、伝わらない」背景と工夫について考えていきます。(個人情報保護の観点から一部内容を変更しています)
何気ない日常の会話から
その日は、最近あった出来事を自由に話してもらっていました。
彼女は、地域活動で一緒になる子の話をしてくれました。
「いつもため口で話してくる子がいて、同じ年だと思ってたんです。でも、あとで聞いたら2つ下だったので、びっくりしました。年上には敬語を使わないといけないのに」
年齢や立場が上の方には、敬語を使うべきだと考えている理由を聞いてみました。
「なぜ?」と聞かれたとき
「そうだね。年上には敬語を使うことが多いよね。でも、どうして敬語を使うんだと思う?」と聞くと、いくつかの例を挙げて説明してくれました。
- 「社長さんと平社員は違う。平等ではない」
- 「大人は自由に買い物できるけど、子どもはできないし」
- 「小学校のとき、先生に敬語を使いなさいって言われた」
どれも外れてはいません。けれど、聞いている側には少し引っかかりが残ります。
たくさん例をあげているけど、「結局、敬語を使う理由をどう理解しているのか」が伝わらないのです。
大まかには、わかっている
ここで大事なのは、彼女が「わかっていない」わけではない、という点です。
彼女は、大まかには分かっています。
経験の中で、「年上と年下には違いがある」「立場によって、できることが違う」ことを知っている。ただ、「なんとなく分かっていること」を、相手に伝わる言葉にまとめるのが難しい。ここで、立ち止まっています。
オンラインセッションでは何をするのか?
さて、たくさんの事例をあげて話す彼女に対し、「これとこれの共通点はなんだろう?」と内容のまとめを促しました。
また、「平等と対等の違いはわかる?」と、言葉の定義も確認しました。
この日のセッションは30分。最後に、「むずかしかった〜」と言いながらも、表情はすっきりしていました。「私が考えていたは、こういうことか」そんな小さな納得が、その表情からは見えました。







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