専門家なら、そんな大切なこと最初から言ってほしい~失語症・高次脳機能障害~
毎月、失語症・高次脳機能障害者の当事者インタビューを行っています。そこで聞かれるのが「ある日突然起こる人生の不合理」そこからの「再生」です。今日は軽い気持ちで医療の門を叩いたら、大変な事態が待っていた早野満紀子さんです。
記念のつもりでとったCT、ちょっとした休暇のつもりだった入院
それ話が違いますよね?とか、あなた知ってるなら先に言っておいてくれ!なんてことは日常茶飯事ですよね。大きなことになると裁判とかになるのですが。私が3年ほど前に出会った女性起業家のことば「言った言わないのトラブルは当たり前のように起こる。お金で解決するならラッキーだ」を思いだしたインタビューでした。
今回、取材した早野満紀子さんは、頭痛がひどくて地域にあるクリニックを受診。「頭痛は肩こりからでしょう。でも念のためCT(脳画像検査)でも撮っておく?」と医師から言われ、記念写真を撮るつもりで撮影。結果、異常所見が見つかりました。これは大きな病院へ行った方がいいと言われ、大学病院で精密検査の結果「未破裂脳動脈瘤」が見つかります。「このまま放置しいつか破裂したら、大きな脳出血になり後遺症が残りかねない」と説明をうけます。だいたい2週間の入院と聞いて「ちょっとした長期休暇みたいなもんだ」と思って職場に相談。休みの期間の仕事を割り振り、「あ、ドラマみたいだ」と思いながら手術室へ向かいます。
「話が違う」と言いたかったけど、失語症でことばが出ない
すべての医療は100%安全というものはありません。市販のお薬だって、副作用ゼロはあり得ません。早野さんの場合、医師は最善を尽くしたにも関わらず
後遺症が残った。声がでない、ことばがでない失語症です。記憶や思考が低下する高次脳機能障害も残りました。
「先生、話が違うよ」と言いたかった。でも声もでなくて、ことばにならない。
2週間で普通の生活に戻るつもりで入院したのに、退院のめどが立たない。こんなリスクがあるなら、もっと真剣に手術するか検討したのに・・と後悔しても現実は何一つ変わらない。
「確かに私も軽く考えすぎていたかもしれません。でもリスクについて丁寧に説明してほしかった」
そうですよね、相手は医療者ではないのでリスクを知らなくて当たり前。軽く考えていて当たり前。それを踏まえて説明してほしいと思いますよね。
そうは言っても、残った後遺症はどうにもならない。お金で解決できればラッキーという言葉が理解できませんか?
25歳以下で脳損傷した人たちのリアル
そんな彼女が当時の自分にかけたい言葉は「未来は悪くないよ」でした。
ある日突然、日常生活が奪われる理不尽さからどのように立ち直ってきたのか。
幸運ともいえないが不幸ではない。そんな等身大の話を聞くイベントを開催します。
U-25で脳を損傷! その後のリアル キャリア形成 人生を生き抜く知恵 公開シンポジウム
25歳以下という若い時に、ある日突然、脳損傷により日常生活が奪われてしまった。世間でよくいう生活習慣病とは無縁であった3人。
自分がいったい何をしたというのだろうか?
「若いのに障害が残ってかわいそう」
「これからどうするのかしら?」
「でも若いから回復が早いよね」
そんな周囲の言葉は、当事者から見るとはたして真実なのか?それぞれの考え、生き方について伺い、意見交換をします。
- 日時 2月18日14時~16時半
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