話し言葉を理解する過程について〜言語聴覚士のお仕事〜
そもそも私たちの言語とはどういう過程を経て「聞いたり」「話ししたり」「読んだり」「書いたり」しているのでしょうか?
話し言葉を理解する過程
言葉を聞いて理解すると言う過程について考えてみましょう。
まずここにりんごがあります( ちなみに、なぜかほとんどの教科書では、りんごが例にあがってる・・笑)
「りんご」聞いた私が聞いて、あ、この赤いりんごのことだとわかるためには
- まず「リ・ん・ご」言う音が、日本語の音であるということがわかる
- 次に、3つの音で成り立つ
- 次に、この3つの音の並びがあの赤いリンゴであるとわかる、つまり音と意味が一致する
ここでやっと「りんご」という音と、あの赤いりんごが一致します。
失語症という症状
失語症の方はこのどこかの過程でつまずきます。ちょうどがけ崩れで道が塞がったように、前後に流れないのです(決っして、言葉を失ったわけではないのです)
話し相手が「りんご」と言います。その時に
- 「り・ん・ご」これが日本語の音だとわからない方もいます
- 違う音に聞こえる方もいます
- 音がわかっても意味がわからない方もいます(意味と一致しない)
これが単語レベルの理解です。でも、私達は文章で話をしますよね
そこで、次に「りんごをスーパーで買ってきて」を考えてみましょう
この文章を理解するためには
- りんご、スーパー、買うという単語を理解している
- 複数の言葉を記憶に留めておく
- 「を」「で」などの助詞の働きがわかる
これらが揃って文章の意味がわかります。
単語をわかっても文章がわからない、助詞の意味がわからない、長い文章になると記憶できない、これらが絡んで、相手が何を言っているか理解できないのです。
英語など母国語以外を学ぶのをイメージしたらわかりやすいかと思います。
失語症を表すときに「まるで外国語に囲まれたよう」と表現するのは、さもありなんと思います
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