前回の続きです。 失語症は通常、時間をかけて改善していく障害です。しかし、昨今の医療情勢や回復期病院のFIM効率の観点から、失語症者は回復期転院が難しく、リハビリ終了が実態となっています。 残念ながら、失語症の言語機能は脆弱で、使わないと低下し、退院後にもっとも改善できる時期が過ぎてしまうことがあります。 適切なリハビ...Read More
前回の続きです。 ここで、リハに関する診療報酬の流れについて整理してみます。 2002年、リハ体系の大幅な見直しとともに、言語聴覚療法の施設基準が設けられ、言語室の環境を整え、常勤で言語聴覚士を雇用する病院が増加しました。 2006年、疾患別リハ制度の導入とともに、リハ算定期限が定められました。脳血管疾患は6か月までと...Read More
今日は、失語症のリハを担う言語聴覚士の現状についてお伝えしたいと思います。 2019年に実施された「脳卒中患者・家族アンケート」調査結果の5つのポイントに「失語症という後遺症に対する支援や理解が不足している」が挙げられていました。 数ある後遺症の中で「失語症」の名前だけが掲載されていることに驚きましたが、それだけ多くの...Read More
今回は、高次脳機能障害を抱える方と関わる私たちの役割についてです。 ここまで、高次脳機能障害をもつ方におけるACP(アドバンスケアプランニング)について、ケース検討を交えてまとめてきました。 高次脳機能障害は見えない障害で、本人や家族の希望が一致しないことがよくあります。また、医療従事者が病状を正確に理解できていないこ...Read More
今回は意思表出の重要性について、事例を紹介しながら言語聴覚士の視点からお伝えしていきます。 (3)生活の事例「自分で何も決められない」: 意思表出の機会を奪われたまま成長今回は30代の女性の事例です。父が会社員、母親がパート勤務の家庭で育ち、小学高学年で事故にあいました。 高次脳機能障害の診断はつかず、退院したものの学...Read More