講演会レポート① 高次脳機能障害とは?見えない障害の基礎知識

みなさん、こんにちは。言語聴覚士の多田紀子です。先日、 9月23日、兵庫県加東市で「高次脳機能障害」をテーマとした講演会を行いました。 この講演は、昨年、兵庫県三木市で講演をした際にご参加いただいた当事者会の代表の方が「ぜひ加東市でも」とご紹介くださったことから実現しました。ご縁に心から感謝しています。
わかりにくい原因3つ
高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故などによる後遺症のひとつで、注意・記憶・遂行機能といった「考える力や判断する力」に影響が出る障害です。この障害に対する理解がすすまない原因はいくつかあるのですが、大きく3つと考えています。
- 身体の麻痺と違って、外見からはわかりにくいため「見えない障害」とも呼ばれています。
- 定義がさまざまで、この図のどこを指して「高次脳機能障害」としているか、ばらばらです。当然、どこを定義するかによって、対象人数が変わります。
- 症状が人によっても違うし、同じ人でも、日によって場面によって変わる(個体内差がある)
私はこれまで30回以上、各地で「生活の困りごと・就労における困りごと」をテーマに、講演やセミナーを行ってきましたが、毎回「初めて知った」「家族の困りごとに重なる」といった声をいただきます。まだまだ社会での理解は十分とはいえません。
今回の講演では、「高次脳機能障害とは何か」「日常生活でどんな困難が起こるのか」を中心に、スライドや事例を交えてお話ししました。
次回の記事では、具体的な症状や生活の中で直面する困難についてご紹介します。
余談ですが・・この日、主催してくださった社会福祉法人でんでん虫の会の理事長さんとは、控室で意思決定支援などの話で、講演前にすっかり盛り上がってしまいました。いつか、対談したいものです(笑)
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