超高齢化社会に向けて、サルコペニア道場ご報告No2〜言語聴覚士のお仕事〜
医療と健康、そしてリハビリの情報〜言語聴覚士というお仕事〜本日もよろしくお願いします。前回に引き続き、リハビリテーション栄養研究会でもご活躍されている熊本リハビリテーション病院の吉村芳弘先生の「サルコペニア道場」報告です。
筋肉とは?
中学の生物でならいませんでしたか?筋肉は3つに分類されると。
- 自分の意識で動かせる随意筋である「骨格筋」
- 意思ではうごかせない「心筋(心臓を動かす)」「平滑筋(内蔵を動かす)」
でも組織としては、骨格筋と心筋は「横紋筋」といって、横模様の筋があるのです。そして、私たちが「筋トレ」と言っているのはこの骨格筋を鍛えることです。この骨格筋(基本的には、関節と関節にまたがって付いています)には3つの役割があります
- 関節を曲げて体を動かす
- 体幹を支える、関節がない部分を支える(お腹には関節がないですよね。これは背中の筋が姿勢を保持することで、腹部という構造ができあがっています)
- エネルギーの貯蔵、侵襲(感染症や、怪我など、身体の非常事態)への対応
体を動かす以外に、こんな重要な働きがあるのです。なので、もし筋力が低下していたら、姿勢は崩れるし(この数年、私は姿勢が悪くなっていました!)何かあった時にエネルギーが枯渇するし、免疫力も低下してしまいます。実際、高齢者の女性は、筋肉量が少ないので、貯蔵できるエネルギーが少ないため、病気をして少しでも食べられない時期があると、一気に痩せてしまう傾向があります。
速筋と遅筋
これも用語は聞いたことがあるかと。これは筋肉の繊維の種類で、どの筋肉も含まれていますが、含まれている割合が違うのです。速筋は白くて遅筋は赤い。
速筋は、瞬発力!つまり短距離走。エネルギー源はグルコースで、無酸素運動で発揮します。筋肥大しやすく、そして、落ちやすい!なので、鍛えおかないとすぐに衰えます。ほら、運動会で走れない親御さん、ダッシュで駆け込み乗車がもう間に合わなくなった新卒サラリーマンの方、身に覚えがないですか?
遅筋は長時間、つまりマラソン。こちらは有酸素運動です。糖や脂肪をエネルギーとして利用します。なので、痩せるためにはこちらを鍛えるといいのですね。ちなみに、大臀筋は何歳でも鍛えられるそうで、私が以前、通っていたスイミングでは、ヒップがきゅっとあがった70代の女性が、ものすごい量を淡々と泳いでおりました。そして、この筋繊維は、酸素を必要とするので、貧血とか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、血液中に酸素が少ないひとは、当然、筋肉に酸素を届けにくいので、持久力が落ちます。
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