ピアノが弾きたければ、ピアノに向かえ。

ピアノが弾きたければ、ピアノに向かえ。
私がもっとも尊敬している先生は
ピアノが弾けるようになりたければ、いくら指の筋肉を鍛えても弾けるようにならない
ピアノが弾きたければ、ピアノに向かって、ピアノを弾くしかない
と、言っています。めっちゃ名言!
もうひとつ、こちらもご紹介
良くなったから社会に戻るのではなく、戻ったから良くなる
これは、橋本圭司先生が、論文に書かれている言葉です。
この二つは、高次脳機能障害や失語症の人の社会復帰支援における、私の柱になっています。
改善には時間をすごく要します。その期間を、今、医療のさまざまな事情で、医療で支えきれなくなってきました。
2006年にリハ期限が決まってしまい、もっと、もっと昨今は、短縮してきています。

数年かけて改善していった、忘れられない患者さん

大変、重度の失語症と高次脳機能障害(麻痺なし)の患者さんを担当したことがあります。いやいや・・ほんとに大変だった。入院してから数日は、髭剃りをもって(スマホと間違えていた)一日中、「なんやろ、なんやろ」とぶつぶつ言いながら病室内をうろうろ。
どこに、なぜ、いま自分がここにいるのか全くわからず、混乱の極み
言語のリハどころではなかった。
それでもリハ病院を退院後、1年半はリハ継続し、その後、配置転換で復職。そのあともずーっと、職場訪問したりして私も関わっていました。いや、これを仕事としてさせてくれた職場に感謝ですが。落ち着いたところで、リハ終了。私も職場を変わり、連絡が途絶えてました。数年後、お会いしたら、かなり良くなっていて、びっくりしました。上司が変わって少し問題が生じたようで、そこは説明の文章を書いたのですが、「あ、そういうことですか」と理解を得られ、また落ち着いたようです。
この数年にわたる関りが、私の原点でもあります。

キャリアの延長線にある支援

仕事は非常に複合的な脳機能を必要とするので、その仕事(またはそれに準じたもの)をすることでしか、改善できないものがあるのです。
でも、これまで通りには、ほとんどの人ができない
それでも、それまでの人生の延長線に、復帰の道筋をつけるのがとてもとても大事
とくにキャリア形成したあと、長年、その仕事をしてきた人、そういう分野に関しては、いわゆる学術的な脳機能の解説ではわからないパフォーマンスがみられるものです。
例えば
  • すごーく重度の失語症で「鉛筆」「スリッパ」などの言葉もわかなくても「日経平均」「ドル相場」は、瞬時にわかる証券マン
  • 折り方の本をみても全く折り紙が折れないのに、本の企画書は書けてしまった文筆家(鈴木大介さんです)
  • 帳簿をつけることから、コツコツ始めたおばあちゃん
生活、お仕事にもどったすぐは、確かに大変でしたが、それなりに、ゆるく、ゆるく、改善していった人をたくさん見てきました。
反対に、認知機能としてはそんなに高度なものを求められない仕事であっても、うまくいかなかった人もたくさんいます。
それは、慣れない、やったことがないことに従事した場合、または環境が激変してしまったとか、そんな場合が多いです。
だから、テストなどの一面だけで評価して、このIQならこの仕事、職業訓練といえばこれ、など定型の支援では、本人の持てる能力を発揮できないと考えています。

基礎トレを積み上げても、限界がある

そして、いくら、机上で、リハビリ室で「脳機能」のリハビリをしたとしても、それは下支えにはなるかもしれないけど、ゴールへの到達には不十分。
バスケットで言えば、コートの外でストレッチしたり、筋トレしたり、同じ位置でドリブルを練習するようなもの。
いきなりコートでゲームするのは無謀ですが、でも、コートの外にいたら、いつまでもうまくならないですよね。
ピアノが弾きたければ、ピアノに向かえ
始めはうまく弾けないかもしれない、それでもコツをつかんで少しずつうまくなる
周囲もそれを見守ってほしい

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    コロナ禍の中、先行き不透明な時代にこそ、多くの方に読んでほしい!
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