【言語聴覚士の役割】失語症リハと摂食嚥下療法のこれまでと今
前回の続きです。
ここで、リハに関する診療報酬の流れについて整理してみます。
2002年、リハ体系の大幅な見直しとともに、言語聴覚療法の施設基準が設けられ、言語室の環境を整え、常勤で言語聴覚士を雇用する病院が増加しました。
2006年、疾患別リハ制度の導入とともに、リハ算定期限が定められました。脳血管疾患は6か月までとなり、失語症は除外疾患にも関わらず、長期間の外来リハが難しくなってしまいました。
同年、摂食嚥下療法の算定日数が、3か月以内であれば毎日算定できるようになりました。
もちろん、言語聴覚士以外でも算定可能で、この年、摂食嚥下障害看護の認定が開始されました。
それにも関わらず、現場では嚥下リハは言語聴覚士が担うというイメージが定着、事実、日本摂食嚥下リハビリテーション学会におけるコメディカル会員の30%は言語聴覚士で、最も多い職種です。
そこで私は、2020年末に、成人分野で勤務する言語聴覚士を対象に、業務割合についてアンケートを取ってみました。
結果は図1・2です。
失語症にほとんど関りがないが12.4%、1~3割が63.7%です。
結果は図1・2です。
失語症にほとんど関りがないが12.4%、1~3割が63.7%です。
それに対し、摂食嚥下療法は、ほとんどが15.1%、5~8割が29.9%です。
現任の言語聴覚士が、失語症リハに関わる割合が少ないということは、今後の失語症リハの担い手の育成ができないという、将来にわたる問題も抱えています。
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