ことばの障害は長期で回復する!コミュニケーションを諦めないで~言語聴覚士のお仕事~
昨日のブログを「単なる感情論だ」と研究しかしていない言語聴覚士にディスられたが(笑)、いちお、この記事は50名以上の失語症・高次脳機能障害の方のヒアリングによるものである。これは、三菱財団と厚労省の老人保健健康増進の助成をうけて粛々とすすめているもので、今月も学会で発表する予定。単なる感情でも、正義感を振り回すつもりもなく、医療現場と生活の大きな溝を埋めたいと思って書いています。
冊子はこちら→脳に何かがあった時
そんな言葉を信じないと決意した人しか回復しない?
私は2019年からオンラインで言語リハビリを提供している。そこにお申し込みになる方や、NPO法人Reジョブ大阪で当事者の方の声を聞くと、そもそも真実ではないのにもうこのぐらいしか回復しませんと病院で言われてショックを受けた人がいかに多いか!
そういえば、病院ではリハビリテーション計画を作成するときに、必ずでてくる「予後予測」という言葉。そして「6か月という期限」
あの6か月というのは、上田敏先生たちの研究チームが「相当な医療をリハビリテーションを施した結果」伸び率が下がると線引きした期限であり
そもそも「相当な」ものを提供するのは、一般の病院では難しいのが現実と話していたのを、私はこの対談の打ち合わせで聞いて目から鱗だった
「もう回復しません」と言われても、コツコツと回復を信じてリハビリをする人は、つまり、医者やリハビリ職が言う言葉なんて嘘だ、こんな話信じないと思った人で、冊子のインタビューでも、そうした人しか生活に戻って回復していないのを実感している。
こんな悲しい事が沢山あることを知って欲しいなと私は思う
ことばの回復を阻むものは「廃用」
よく聞かれるのが「失語症は回復しますか?」「高次脳機能障害は良くなりますか?」。こうした質問をしてくる人に対しては、私はこのように説明している
長期にわたって回復します、確かに100%には戻らないかもしれません
でもあなたの言葉に関する機能が障がいされたとしても
これからの生活の中でコミュニケーション能力が改善するのかどうか?
それはあなたが積極的に言葉を使った生活をあきらめないかどうかにかかっている
言葉の障害の回復を阻む
唯一の原因は廃用、つまり人と話さなくなることだ
相手は自分の言葉がわからないのではないか?という不安、
他人の言葉がわからないと言う不安なんだかいつも人間関係がうまくいまかない
結局、コミュニケーションがうまくいかない、傷つく
私は話さないほうがいいと思い込むことによって、コミニケーション取れなくなる。
こうした言葉を表現する事をあきらめることが、唯一の能力障害能力を改善しない原因だと考えている
生活に戻って回復している失語症・高次脳機能障害者の姿を見てほしい
冊子の取材や、オンライン言語リハビリでは、数年たっても回復している、そういう障がいのある方の生の姿を見ている。
言葉を、そしてコミュニケーションをあきらめないでほしいと思う
10年たっても回復している人たちはたくさんいる、そうした事実を必ずあなたの目の前にいるコミニケーション障害がある人に
熱意を込めて真実を伝えてほしいと思う
私達、とくに言語聴覚士の役割は、失語症・高次脳機能障害などを背景としたコミュニケーション障害がある人にとって非常に重要です。
私達が、生活の戻った失語症・高次脳機能障害の人、家族の声をもっともっと聴いて、「回復の見込み」「期限」といった医療側のエビデンスを正義とする意識から転換し、情報の共有していくことが大事だと思っている。
小さな奇跡を作る障がい者さんの声を拾い、良き理解者となって欲しいと思う。もちろん、私もまだまだですが、目指す臨床家像は変えないでおこうと決意している。
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