失語症の人の生活のしづらさと、自立支援~言語聴覚士のお仕事~
よく聞く話です「失語症について、もっと知ってほしい」失語症者からも、家族からも。何人かの患者さんのつぶやきを掲載します。
- 言いたくても言えないのをわかって欲しい
- 失語症の表現が難しいなとおもった。話す人、聞く人というように、話せる人、理解が出来る人などいろいろな人がいる。症状が様々です。話すほうがおかしい人がいるし、聞けると思っているけど、十分聞けるのとは違う人もいる。自分自身は、50%くらい聞けていれば、十分とおもっているのですが、はたからみたら9割くらいわかっていると思っている。それを、わかってなくても、何でもないふりをしています。わかってないと、相手が思ったら、それで会話が終わってしまいます。だから、なんとなくわかったふりをしています。
- 静かなところだったら、だいたいわかる。カフェとか、周りがうるさいと、入ってこないんです。聞き取ろうとしてるけど、相手の話が、右から左に抜ける感じで、頭に残らない。あわてている間に話がどんどん進んでしまう。
- 相手の話を理解しようとしてがんばっているうちに、頭がつかれてしまう。理解するまでに時間がかかるから、その間に、違うことをしゃべられると全然話がわからなくなる。え??いま、なになに??みたいな感じ 。
- わかってもらおうとするのが、面倒になる。自分もこんな障害知らなかったし。興味もってくれるのは、医療の人か、身内にそういう人がいるか?どっちかじゃないかな。言っても仕方ない。
これだけ言えてるじゃない??と思っている人、いえいえ、これは長い時間をかけて言葉を紡いだ結果なのです。それも静かな場所で、私と1対1で。
言葉による困りごとはこんなにもある
こちらにいつも参考にしている調査書があります。失語症の人の生活のしづらさに関する調査
医療機関に勤めている私、ここまで考えられなかったなという項目がたくさんです。
計算が曖昧なので、買い物が困る(スマホ決済で、解決してくるかな?)
公共機関を一人で利用が難しい
役所や医療機関に行くのが難しい
銀行の窓口、ATM利用・・・などなどたくさんあります。これらが難しいと誰かの同行が必要となりますよね。
こうしてみると、コミュニケーションのリハビリは、自立支援なのだと改めて思います。
失語症の人に対する意思疎通支援事業もあります。失語症について学び、社会参加につなげる会話パートナーの育成を目的としています。東京では事業が本格化しており、コロナウイルス肺炎の騒動がなければ、4月25日「失語症の日」イベントで活躍してもらう予定でしたが残念です・・
お知らせ
3月27日(金)19時〜オンラインで「高次脳機能障害の社会的背景と社会資源」についてお伝えします。詳細をお申込みはこちらです→
公式ライン脳ケアゼミ準備委員会またはkuruminomori21@gmail.comまで
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