誤嚥性肺炎について〜そもそも何?どうしてなるの?~

誤嚥性肺炎について〜そもそも何?どうしてなるの?~

そもそも、誤嚥性肺炎っていうのは何でしょう。まずここの図を見て下さい。

健康長寿ネット

人間は、2足歩行になったため、喉(咽頭、喉頭)の形が他の動物と変わってしまいます。食べ物の通り道と空気の通り道が交差しています。普段は、空気の通り道を優先して(当たり前ですよね、息をしないと死んでしまうのですから)だから気管のスペースが大きい。食道は、うしろ(背側)につぶれた形になっているのです。
ところが、食べ物が来たときだけ、後ろにある食道が開いて、食道に入っていきます。それで空気の通り道が交差するわけですね。なので誤嚥しやすくなります。

誤嚥性肺炎の誤解あれこれ

  1. 誤嚥性肺炎とは、食べ物だけではないです。ここがポイントです!!食べ物以外では、逆流した胃液とか、唾液、痰など、要は本来、空気しか入らない気道に、空気以外のものが声帯を加えて入ったのが誤嚥です。声帯の手前であれば、喉頭侵入といって、誤嚥ではないです。もし、ここで「ごほん!」と咳を出して喀出できたら、誤嚥には至らないですね。
  2. こちらは似て非なるもの

「誤飲」これは食べ物ではないものを食べた場合、例えばボタン電池とかそういうのを食べてしまった場合

「窒息」なんらかの物理的なもので、呼吸が阻害されることによって、酸素と二酸化炭素の交換ができず、血液中の酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度が上昇。脳などの内臓組織に機能障害を起こした状態です。高齢者がお餅をつまらせるが有名ですが、首をしめて圧迫するなど、飲み込みと関係ないものも含みます。

3. 誤嚥=肺炎??

これも違います。
誤嚥が肺炎になるかどうかは、本人(宿主といいます)と侵襲物、そのバランスが崩れたときに肺炎になります。
例えば非常に体力ある若い人は誤嚥しても、肺炎リスクは低い。免疫力があれば、炎症を抑えることが出来るので、肺炎には至らない。筋力があれば、しっかり咳をして喀出することもできます。
それから、咳が出るためには、「異物が入ってきたよ!」っていうことを感知しないといけないのですが、そういった感覚が良好であるかも大事です。感覚が低下していると、関知するセンサーが働かないので、咳を出す指令がでない、結果、筋肉があっても、喀出力は低下してしまいます。脳梗塞、脳出血の人が、喀出力が悪いというのは、筋肉が低下してる、麻痺しているというという理由もありますが、「誤嚥している」と、察知しにくいのも原因の一つです。
あとは免疫力。今回の新型コロナウイルス肺炎でも、やはり基礎疾患がある人は重症化しやすいですよと言われていたように、本人が別の疾患を持ってると免疫力は下がりやすくなります。例えば腎臓病があって、そのため体力を消耗していたら、少しの誤嚥も致命的になってしまうわけです。
ほかにも、ここ数年、着目されているのが栄養状態、これが悪いと免疫力は下がります。抗体を作り出せないので。
もちろん、本人の嚥下機能ですね。嚥下機能が問題なければ、そもそも誤嚥しないのですから。

勉強会のお知らせ

6月5日(金)19時〜
オンラインで「食事場面の評価」についてミニセミナーを行います
リアル参加が難しい方には、後日、動画を送っています
そのほか、週刊ミニセミナーについては、↓にある公式ラインに流します。

 

私の活動をご紹介

 

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください