誤嚥性肺炎について〜絶食だからと言って安全ではない!〜

誤嚥性肺炎について〜絶食だからと言って安全ではない!〜
前回の記事では、誤嚥=肺炎ではなくて、本人(宿主)と、侵襲物のバランスであるとお伝えし、まずは、本人の問題について書きました。今日は侵襲物についてです。

ダメージ与える侵襲物

  1. 内容物。例えば、とても綺麗なお茶とかお水のように、細菌がほとんど入っていないものを、誤嚥しても肺炎になるリスクは少ない。むしろケアされていない口腔内の雑菌を含んだ唾液のほうがリスクあります(だから絶食でも安心ではないのですね)牛乳だとか、飲むヨーグルトになると、砂糖も入ってる、タンパクも入ってる、要は栄養価が高いので、ちょっと誤嚥してしまうと細菌が繁殖しやすいです。経鼻経管栄養や、胃ろうなどでつかう高カロリーのものは、逆流したら誤嚥のリスクが高いのもわかりますね。あと一番危ないのは、胃液を逆流したり、嘔吐の場合、酸が入ってるのでがダメージは大きいです。
  2. 頻度。食事のたびに頻回に誤嚥するのか、時々なのか。唾液も常時だらだらと誤嚥していると危ないです。頻度が高ければ高いほど、ダメージが大きくなるので、肺炎のリスクが高くなります。
  3. 最後に、量。たくさん誤嚥するともちろんリスクが高いです。嘔吐物が危ないっていうのは、量も多いし、内容物も酸が含まれているからで、大量に嘔吐、誤嚥してしまった場合は、非常に重度の肺炎になることが多いです。

安全なものは、その逆を考えたら良い

なので嚥下障害の人のリハビリでは、これらすべての反対の条件で始めます
  • 口腔ケアをしたあと、お茶などのゼリーで(糖分、たんぱくなし)
  • すくない回数から初めて
  • 少量で実施する
これが基本のセオリーです。
反対に不衛生な口腔内で、注入中に逆流しそうな姿勢であれば、絶食でも、肺炎になるリスクは非常に高いってことがわかりますよね。一番リスクが高いところを押えずに、やたらと「食べないで」というのは、理屈が合わないのです。

勉強会のお知らせ

6月5日(金)19時〜
オンラインで「食事場面の評価」についてミニセミナーを行います
リアル参加が難しい方には、後日、動画を送っています
そのほか、週刊ミニセミナーについては、↓にある公式ラインに流します。

私の活動をご紹介

すべての人が、自分らしく社会参加できる、自分の力を活かして稼げる「幸福な経済圏」が作れたらいいなと思って活動しています。

  • 当事者の社会参加と家族ケア・啓発活動
    NPO法人Reジョブ大阪
  • スマホやタブレット、PCで!言語聴覚士によるオンライン言語リハビリ
    ことばの天使 オンライン言語リハ
    情報をお伝えする公式ラインはこちら
  • 高次脳機能障害者・失語症の方の就労における知恵。当事者インタビュー冊子はこちら 「脳に何かがあったとき」
  • 本を出版しました!
    現場19年、大阪の元気な言語聴覚士が、患者から学んだ人生の処方箋。
    コロナ禍の中、先行き不透明な時代にこそ、多くの方に読んでほしい!
  • 講演・研修多数
    お問合せはこちらのフォームにご記入お願いします。

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください