幸運は不運の顔をしてやって来る~言語聴覚士として思うこと~
ふぅ、なんだか大変だ…と思っていた時に、私はひたすらあるYouTubeの講演を聞いていた
若くして大病を患った田坂広志さんである。
その講演では、幸運は不運の顔をしてやって来ると仰っていた。
幸運が一直線に来るのは幻想で、まずは不運の顔をしてやってくる
その不運を抜ける時の学びが糧になる
将来、振り返った時に、当時は不運だと思ったことが、幸運のきっかけになったのだとわかると。
人生の半ばを超えた人の多くは
「あ、なるほど」と納得するエピソードに、少なくとも一つは思い当たるのではないだろうか?
脳卒中後遺症を抱える人たち、そして家族
ただ、世の中、そんなにシンプルではない。
私は、脳卒中の後遺症を抱える人、そして家族さんに、長年関わっている。
脳卒中の後遺症である、身体麻痺、高次脳機能障害や失語症、他にもたくさんあって、どれも100%元に戻ることはないと言われている。
後遺症を抱えながら、いかに病後の生活を立て直していくかが問われる。
障害があることで差別を受けた、また受けている人はたくさんいて
経済的にも、心理的にも、様々な制約をうけている人もたくさんいる
とてもじゃないが、それが「幸運のきっかけかも」なんて言えやしない。
「先生にはわからない」「所詮、他人事」と言われても、そりゃそうですよね・・と反論できない。
「死んだほうがマシだ」という人にもたくさん会ってきた。
それでも「あの病気がきっかけで、自分の生き方、生活を見つめなおした」「前の生活には戻りたくない」という人も同じくらい出会ってきた。
言語聴覚士としてできることは、こうした「今の人生も悪くないよ」と言っている当事者の声を、1人でも多くの患者さんに伝えることだと思っている。
今、どん底にいる人へ
不運は、脳卒中だけでなく、病気だけでもなく、経済や人間関係などありとあらゆるものがある。
生きていれば、これでもか、これでもかと泣き面に蜂以上のことがたくさんある。
そんなとき
幸運は不運の顔をしてやってくる
この言葉を信じて、前をむける人には、いつか幸運が来る気がする
信じなくても、唱えていると、少なくとも気が楽になる
知っていて損はないはず!
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