「会議で発言できるようになりたい」~失語症・高次脳機能障害者のオンライン言語リハ

「会議で発言できるようになりたい」~失語症・高次脳機能障害者のオンライン言語リハ

あるリハビリテーション病院に移ったときに驚いたのが、軽度の人に対する言語リハです。普通は「あ、大丈夫ね」で済まされてしまいそうなひとにも

がっつり言語聴覚士がリハビリをしていました。そのときの経験をオンライン言語リハでは活かしています。

今日はある会社員の方へのオンライン言語リハをご紹介します。

会議で発言がしたい

50代の男性で、ご利用の希望は「会議で発言ができるようになりたい」でした。非常に軽度ですが、もともと雄弁な方で、今の自分が非常にもどかしいとのことでした。以下のプログラムを半年実施しました。

  1. 1週間内の経験したエピソードの中から一つを選び、全く状況を知らない人(社会人を想定)でもわかるように説明する。わかりにくい用語は、STから質問をして、丁寧に説明してもらいます。
  2. ニュースを選んでもらいます。そのニュースのテーマは何か、関心のあったことは何か、そしてどのように考えたのか。なぜそう考えたのか?

この男性は、具体的に言葉で説明しにくい箇所を、端折ってしまう傾向がありました。STの誘導で丁寧に説明できるように促しています。例えば、昨今で言えば「ワクチン接種の問題」です。「行政の対応が悪いんですよ」とばくっと発言してしまいます。そこで「どんな点が悪いと思うのか」「その原因はなんだと思うのか」など、質問を投げかけます。

対応策を一緒に考える

他にも、「○○さんは、私の話をよくわかってくれないですよ」に対して「だれが何に対してわかってくれないのか」「どんな反応があったので、わかってくれないと感じたのか」具体的に考えて、話す練習をします。わかってくれないでは、解決になりませんから。そして、往々にして、「わかってくれない」というのは、認知の問題というか、心の問題というか、思い込みだったりすることも少なくないのです。

最近は、レポートをまとめてきてもらい、それをもとにプレゼンをする練習に切り替わっています。

 

 

 

私の活動をご紹介

 

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