言葉が少ない=意思がない、ではない ― 見えにくいコミュニケーション障害

第1回でご紹介した担当者会議の後、本人からこんな話を聞きました。
「頭に入らなかった。うん、って頷いていたけど、あれは聞くのに精一杯で。納得していたわけじゃない」
この言葉を聞いたとき、改めて思いました。
頷きは「納得しました」ではない。「聞いています」のサインかもしれない。
情報処理に時間がかかる方にとって、矢継ぎ早に話されると、理解することだけで精一杯になります。反論どころか、内容を整理する余裕もない。
でもその場では「うん」と頷いている。
だから後から「あの時、同意しましたよね?」と言われても、本人にとっては「知らんがな」なのです。
こうした様子を見て、
「納得している」
「意見がない」
と思われることがあります。
でも実際には、
言いたいことはあるけれど言葉にならない。
たくさん話されると整理できない。
時間があれば伝えられる。
そんな方は少なくありません。
「反応が少ない」「発言が少ない」「うまく説明できない」
それはコミュニケーション障害の症状であって、意思がないことではありません。
反論できないことと、納得していることは同じではない。
言葉の量だけで意思を判断しない。
そのためには、「沈黙」や「頷き」の意味を、もう少し丁寧に受け取ることが必要だと思っています。
そして、本人が伝えられるだけの「時間」と「余白」を、支援の場に用意すること。
それもまた、支援の大切な役割だと思います。








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