地域包括ケア時代におけるセラピストの仕事はどう変わる?No2〜言語聴覚士のお仕事〜

地域包括ケア時代におけるセラピストの仕事はどう変わる?No2〜言語聴覚士のお仕事〜

2017年言語聴覚士学会の参加報告 第3回目です。本日は、引き続き地域包括ケアシステム時代におけるセラピストの仕事、役割について、言語聴覚士とデイケア協会会長からの提言です。

一般社団法人言語聴覚士協会 深浦康一会長から「コミュニケーションの相手も支援する」

深浦会長から、今後ますます増える認知症に対する言語聴覚士としての役割として、以下のことについてお話がありました。

  • 早期発見
  • 認知、コミュニケーション能力の評価
  • 嚥下機能の評価
  • 介護する人への助言
  • 地域で関係者とともに認知症の人を支える

言語聴覚士はコミュニケーションの専門ですから、当事者だけでなくそのコミュニケーション相手を支援するってことは当然の役割かと思います。

そして、私が手落ちになっているのが、聴覚障害なのですが、高齢者になると難聴となる人も多く、会話のやり取りが困難となってきます。こちら、ご参照ください→65歳以上での軽度難聴を呈している人は1500万人

難聴に対しては

  • スクリーニング、精密な検査機関へ紹介する
  • 社会的理解の促進
  • 補聴器のフィッティング

などが挙げられました。後日、論文を調べていたら加齢による難聴は少しずつ進行するので自覚がない人が60%とのこと。聞こえにくいから会話がおっくうになり→他者とのコミュニケーション機会が減る→認知症になりやすいという負のループが想定できます。スクリーニングは重要だと思いました。ここでも社会的理解の促進が挙げられています。やたら大声で話し変えると、加齢性の難聴は「音が割れて聞こえるので、よけいに聞き取りにくい」のです。口元をみせながらやや低めの声でゆっくり話すことが大切です。

文献はこちら→老人ホーム利用高齢者の聴力測定と認知機能の 関連性についての検討

最後にまとめでお話しされたのは、高齢者の問題は、疾患別でなく複合的、加齢による変化、様々な機能低下、これらよって何か目的ある活動をする、社会的なことに参加することを「当事者が」回避する傾向が強いとのこと。だからこそ、周囲の人からの関わりが大切で、私たち言語聴覚士は周囲の人の理解を支援が必要なのだと思いました。

一般社団法人全国デイケア協会会長 斎藤正身会長から「社会制度ができるのを待つのではなく」

aging in place できる限り住み馴れた地域で、地域の一員として住み続けることだそうです。斎藤先生方の取り組みは「社会制度、医療制度がどうだからではなく、地域のために、社会のために何ができるか考えていった」もの、その結果、手広く様々な事業が始まり、住み馴れた地域で寿命を全うする人が多くなったそうです。

以前、ある雑誌の取材を受けた時に「開業医でも、患者さんのためにこういう制度があるといいなと、診療報酬とか気にせずに取り組んでいる医院は、いつのまにか口コミで人が増えて潤っている」と聞きました。行政が取り決めをしたり、制度をつくるには時間がかかるものです。今、何が必要?と考え、できることを自分たちでコツコツすることが一番大事なことですね。川越市の様々な取り組みを拝見すると、「いまさら、地域包括ケアと声高にいうもの??」という感じがすると同時に、いまだ、手つかずの地域がたくさんあるのも現実で(私が勤務する地域もそうですが)、新たな視点での地域格差を感じます。

川越市の先駆的な取り組みはこちら。中でも認知症の当事者と家族がふらっと立ち寄れるオレンジカフェが私の理想!いつか開きたいものです→地域包括ケアシステム構築に向けた取り組み事例

最後に4名の先生方からの緊急提言です

さて、シンポジウムの最後にこんな話がでました。

今の若い世代は、コミュニケーション能力が低く、他者との距離感がつかめず、自己紹介すらできない人が多い!これから職場だけでなく、様々な人と関わっていかなくてはいけないのに、これは由々しきことです。社会事象も知らないし、高齢者と話をする素材を持っていない。団塊世代は、ディスカッションすることが大好きだったが、こうした機会がほとんどなく育ってきている。これは非常に緊急を要する問題であり、そして解決が難しい!

どうですか?若い実習生さんやセラピストを見ていると、お勉強はしているかもしれませんが「雑学」がない人が多いし、やたら気をつかって意見を言わず、そして言われたら過剰に傷つく人が多い気がするのです。まあ私が学生の時も「世間をしらない!知識が偏っている」とよく怒られ「どんな話題にでもついていけるように、引き出しを増やしなさい」とアドバイスされたものです。ただ・・傷つきにくく反論もよくする生徒ではありました。

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