本人も周りも一番苦しいのが易怒性~高次脳機能障害~

本人も周りも一番苦しいのが易怒性~高次脳機能障害~

引き続き、脱抑制のお話をしていきます。思いついたら社会的なこと、結果も深く考えずに行動を起こしてしまうことです。高次脳機能障害の症状としては、他にも、易怒性というものがあります。読んで字のごとく、怒りっぽいこと。そもそもこの障害の人は、自分が障害を持っているという自覚も少ない人が多く「なぜ僕は入院などしているのだ」「私にはリハビリなど必要がない」と思っている人もいますし、障害の自覚がある人でも、例えば会社に戻れなかったり、社会的に不利な立場に急に立ったこともあり、怒りっぽくなるのは、いつも不満感というか、社会的に不条理だという気持ちでいる人も多いのがあるという説もあります。

易努性の場合は、すぐに怒鳴ったり、手が出てしまったりすることが多いです。これも男性の場合は、力が強いことですぐに問題になります。みなさん、駅などで怒鳴り散らしたり、スーパーなどで「店長出せや!」などと怒り続けている人っていますよね? もちろんそれなりの理由があってのことだとは思うのですが、私は、この症状を知って以来、そういう人たちをみると、「あれ?あの人高次脳機能障害なんか?」と思うようになりました。障害だったら仕方がありませんが、リハビリ受けられたらいいのにと思うこともあります。

 

この脱抑制や易怒性の症状は、障害が原因であるとはいえ、当然、暴力行為であることに変わりはありません。被害者も出てくるので、おもろいー!なんて話ではないのですが、ひとつだけ、みなさんに理解してほしいことがあります。一般のセクハラや暴力暴言行為と違い、この障害の場合は、本人もすごく苦しんでいるということだけは、頭の隅に置いといてください。これは一般的な苦しみ、例えば「心を鬼にして叱ったのだ」とか「こちらも傷ついたのだ」というのとは違います。脳の障害がこのような行為を生み出してしまうのですが、脳の障害ゆえ、止めたくても止められないのです。自罰感情というのですが、「なんでこんなことをやってしまうんだ!」「何をやってしまったんだ!」という、後悔の嵐が、脳に損傷がない人に比べ、半端なく大きいのです。

現に怒っている最中にも、「あかん!あかん!やめろ!」などと自分を制しようと声を出して言っている人もいます。自分に「やめろ!」と叫んでいるのに、それでも止まらないのだそうです。

言語聴覚士の方へ!シェアのお願いします。

診断はもちろん医師がするものですが、リハ職の評価も、退院後の生活には非常に大事です。評価で「平均値以上なので、問題なし」と報告をあげたり「リハは不要です」と評価したりしても、その患者さんも家族も、退院後の生活で、これまで通りに様々なことができなくて、困っている人が本当にたくさんいるのです。
なぜ、リハ職の評価が適切でなかったのかについては、考えるべき要因はたくさんあるのですが、一つに、高次脳機能障害や失語症がある人の退院後の生活を知らない、知る機会が少ないことがあります。
もう一つ、言語聴覚士についていえば、嚥下障害に関わる時間が多くて、高次脳機能障害や失語症がある人の評価やリハの時間が少ないのではないかと思っています。
この仮説について、アンケート調査をしたいと考えています
職場や知人の言語聴覚士にシェアしてもらえると助かります!
なお、このアンケートは私が委員を努めます「失語症の日 制定委員会」の活動の一環です。結果は、(公)日本脳卒中協会の会報と言語聴覚士学会で発表する予定です。もっと言語聴覚士の仕事、まっている人がいることを伝えたいと思います。

謝礼あり。当事者である鈴木大介氏と岡崎憲司氏、言語聴覚士西村が感情抑制について語っている動画となります。
アンケートはこちらです。締め切りは12月20日です←延長しました!

私の活動をご紹介

 

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