人生は不条理の連続

人生は不条理の連続

この本は新幹線の中で読んで不覚にも泣いてしまった、笑。出だしはとても平凡で、専業主婦だった主人公が、ある日突然夫に離婚を切り出され、実家に戻る。よくあるパターンですよね。私の何が不満だったの?と。たしかにこれも結構、不条理ではある。

ど田舎にある実家で出会う人との交流が描かれているのですが。それなりに皆さん、不条理な人生で。それでも静かにそれを受け入れている姿が、泣けてくる…

キーとなるのが、親の都合に振り回されほとんど会ったことがない祖父の家に来た息子くん。彼が主体的に生きていくんだよね。様々なことを見ながら、それも自然体で。子供ってすごい。

そんな彼に出会うことによって、これまでの様々なことが浄化されていく大人が描かれているストーリーです。

子供のためにと働いていた、その勤務時間に子供を脳炎で亡くした早川さんという女性。彼女はいつも一生懸命なのに全てが報われない。人生の最期に、ようやく救いの場面が出てくるのです。これがタイトルにつながるわけですが。

口を書いてみるとちょっと陳腐な感じがしますが、臨床現場では実際にこういうおばあちゃん達にたくさん会ってきたなぁ。人生何が楽しかったんだろうと思うくらい、苦労の連続だったおばあちゃんたちの人生をよく聞いた。それを笑顔で話すおばあちゃんたちがすごいなと思っていた。そして他人のために一生懸命尽くした人の最期には、なんらかの救いがあるのも見てきた。

でも世の中そんなに綺麗事ばかりじゃなくて。まだ駆け出しだった頃、私が担当していた50代の男性。家族とも疎遠で、入院時に聞いた生活史はかなり悲惨であった。そして、なぜか治療がうまくいかず、ことごとく合併症が出てくる。それも辛い症状のオンパレード。

言葉も話せなくなり、もう看取りだなと言う時期に、主治医がつぶやいた言葉

「何もいいことがなかったやんか。何のための人生やったんだろうだろう。可哀想に。」

世の中を見渡せば、戦争や天災、虐待など、本人に何の責任もないのに生命の危機の中で生きている人がたくさんいて、世の中って不条理の連続だなぁと思う。

それでも夜空に輝く星のように、自分の人生を走り切った、これでゴールだと感じて息を引き取れたらいいなと思う。

ちなみに私は、数年前から、自分が死ぬ年齢を心の中でずっと決めている。その時、よくやったと自分を褒めながら、この世の生を閉じたいなと思う。

 

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