涙も、笑いもコントロールできない~高次脳機能障害~
昨日に続き、脱抑制について書いています。多くの人に、「自分にも、ちょっとあるかも」と思ってほしいなと思って書いています。決して他人事でなく、自分ごととしてイメージしてほしいです。
涙が止まらない
言語室で泣き出しちゃう患者さんも多いです。言語室は基本的に1対1の環境です。感情を出しやすいのでしょう。普段、他の人がいる病室で、泣きたい気持ちを押さえているからかもしれません。いい年したおっちゃんが、言語室ではまるで子どものように泣いてしまいます。大の大人でも、今までできていたことができなくなって、リハビリもなかなか進まないと、心では嘆いているのでしょう。「リハビリどうでしたか?」の一声がきっかけとなり、子どものように泣き出してしまうのです。そして、それが止まらないのです。
笑いも止まらない
すぐに泣くのも、なかなかそれが止まらないのも、この脱抑制の症状ですが、もう一つ社会的に困るのが、笑いも止まらないということです。いや、笑顔でハッピーに見えていいんじゃない?と思うかもしれませんが、そうではないのが実情です。笑うのがふさわしくない場所で、にたにた笑い、引き笑いが止まらない。周囲からは、気持ち悪がられてしまいます。そして、自分ではどうにもこうにも止められないのです。お葬式のような、厳かで、静かで、絶対に絶対に笑ってはいけないシーンで、「ブッ」とか「ヒー」と声を出して笑ってしまう。考えただけでひやひやしませんか? 本人にも止められません。
確かに、昨日かいたセクハラや、明日かく「易怒性」より、周囲に迷惑がないかもしれませんが、それでも本人は気にします。
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