【障害を乗り越え、社会に希望を与える】親亡きあとも、親ある今も、仲間が欲しい
今回は、ご家族が障がい当事者の立場になった方のことについて書いていきます。
私が尊敬する増村幸子さんを紹介します。
息子さんが、事故により高次脳機能障害となりました。当時は、まだこの障害は知られていなくて書店で求めた本を、読み漁る日々。
そこで上田敏先生の著書に「これだ!」と思い、直筆のお手紙を出したそうです。まさに母は強しです。
——-以下はお手紙の内容になります——-
今から15年前。
福島県で息子、雅英が、モトクロスのレースに出走中に、くも膜下出血を発症しました。
郡山の病院に搬送されたとき、心肺機能停止。
非常に重篤な状態でした。
ICUの前で、私は一生懸命になりました。
無事で帰ってきておくれ。
とにかく、あとは引き受けるから、どんな状態でもいいから帰ってきてください。
神や仏や、ありとあらゆる神仏にお祈りしました。
11日目です
病室に入ると、俺、もう一度、生きられるかい?
小さな声でささやきました。
私は、非常に驚き、ああ、神様が、助けてくれた、仏様が見守ってくれた。
非常にありがたく思って。
どんなことがあっても、どういう状態であっても引き受ける、そう決心し、神仏に約束致しました。
いろんな関係、方面に、自分の生き方、障害のある子供の生き方、そういったことを相談しました。けど、なかなかうまくいきませんでした。
あとは自分で作るしかないなと思って。その後、小金井市にある「いちごえ会」を立ち上げました。
友人、知人、片っ端から声をかけて、なんとか創立にこぎつけました。
実は、上田敏先生が、急性期病院を退院したときに、我が家を訪ねてきてくださいました。
先生は、彼が今までしてきた仕事、全て作品を見てくださって
「仕事ができる。全部、自分ですると思わないで、誰かが支援すればできるようになるよ。お母さん、その黒子をしますか?」
とおっしゃいました。
そこで私は「どんなことでもします」とお答えを申し上げました。
——続く——-
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