安心、安全を担保して、患者さんと接していますか?〜個性豊かな高次脳機能障害者
私が個人的に関わっている。高次脳機能障害の方がとても面白い話をしてくれました。2回に分けて書いてみます。
生活指導のキモは、安心、安全
『この前、市民講座に行ってきました、アルコール依存症についてです。行って楽しかったですよ。病気以外の人も多かったし、元気な人も多かったです。みんなが病気だと、ドヨーンとしますでしょ。
あなたもこうなるからやめなさいって言われたり、あれも嫌ですね
脅されて止めれるなら、そういう教室はそもそも行かないですよ。
それができないんだから、困ってるんですよ。だから、楽しくなるようなこと言ってくれたら、うれしいなと思いますね。
こういう風にしたら、こんな生活になりましたよとか、こんな風にいいですよとか言ってくれたら、私もやってみようかなぁって気になります。そう考えたら、患者さんも、お医者さんを頼って「ここが痛いです、ここがおかしいです」って訴えるだけじゃだめですよね。どうしたらいいですかって聞くと、お医者さんも「こうしたらいいですよ」ってアドバイスをしてくれるかも知れませんね。』
彼女はいつもなかなか鋭い視点の話をしてくれるのです。嚥下障害による誤嚥、転倒や転落、生活習慣病など、リスクあるものについては、「これだめ!危ないです」という指導ばかりになりますが、脅しでなく、安心・安全の視点が大事なのですね。参考にしたいと思います。
記憶障害のリハビリは、生活に即して
彼女は、実はそこそこ重度の記憶障害があります。「頭が悪いのが悩みです」といつも言ってます。
生活の中で何かあったら、「メモをして、それを見ながら思い出し、人に話す」という練習を繰り返しています。
「こう書いてあると思い出すことができるんですよね」という発言も多く見られました。
まだまだ「メモしましょう」と言う促しが必要ですが、楽しく継続中
やっぱり、楽しい、嬉しいという感情が揺さぶられたエピソードについては、思い出しやすい。
入院患者さんは、活動範囲が狭いので、なかなかこうしたリハビリができないのが悩みですが、できることで工夫したいものです。
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