【高次脳機能障害のあるかたの就労におけるこまりごと】研究メンバーを募集します!

【高次脳機能障害のあるかたの就労におけるこまりごと】研究メンバーを募集します!

 私は、2021年1月から、ルポライターの鈴木大介さんと、高次脳機能障害・失語症の方を対象にインタビューをして、冊子を毎月発行しています→「脳に何かがあったとき」

 今回、この当事者インタビューをもとに、就労におけるこまりごとを、一緒に研究してくれるメンバーを若干名募集します!職種は「作業療法士」「心理士」「看護師」です。以下の記事を読んで、関心がある人は連絡ください。言語聴覚士はすでに3名確定していて、あと、1人どうしようかな・・というところですが、我こそ!という人がいたら連絡ください。

*2021年 三菱財団の社会福祉事業・研究助成による研究です。2023年までの2年間活動出来る方を募集します。

 

研究のきっかけとなる社会的背景について

 高次脳機能障害は定義がいくつかあるのですが、本研究では、平成16年に定められた診断基準に基づく高次脳機能障害と、失語症を対象としています。ともに、麻痺と違って見た目でわかりづらい障害です。現在、高次脳機能障害については、推定50万人とも(種村2011)80万人とも(渡邉2019)とも言われていますが、はっきりした人数はわかっていません。失語症も50万人くらいと言われていますが、あくまでも推定です。なぜなら、未診断の人、つまり「高次脳機能障害という後遺症がありますよ」「失語症ですよ」と医師も診断していないし、当然、本人も知らない人がたくさんいるからです。軽度であれば、入院中にはほとんどこまりごとはないので、意識を持って診断しなければ見過ごされる可能性があります(中島2011)。

 診断が見過ごされると、必要なリハビリテーション(以下リハ)や、情報提供をうけることなく退院となってしまいます。そして、その後の生活でこまりごとが生じることが多々あります。しかし、そもそも診断を受けていなかったり、十分なリハを受けていなかった場合、本人がそのこまりごとの背景にある自分の症状に気がつき、問題解決を図ることはとても難しいです。さらに、たとえ自分がわかったとしても、症状や困難さを周囲の人にわかりやすく伝え、障害による難しさにたいして、理解を得ることはさらに難しいのです。

 とくに就労においては、職務遂行や人間関係において、日常生活よりも高度な高次脳機能やコミュニケーション能力を要するため、多くの軽度の人が、就労の場に戻ったあとに、これまでできていたことができない、難しいという現実に直面して、困っています。しかし、診断や障害について説明を受けていなければ、相談先も適切なアドバイスを受けることもなく、なんとか自力でがんばるか、退職してしまうかとなっています。そして、一度、退職してしまったあとの就労は非常に困難になります。これらは、診断と説明を受けていたら、少しでもふせぐことができるのではないかと考えています(これが未診断の問題)

 たとえ診断がついたとしても、就労の場における問題は、高次脳機能障害や失語症の症状だけでなく、もどる職場の環境、職種と業務内容などが複合的に絡み合って起こります。なので、入院中に、診断を見過ごさないだけでなく、それぞれの患者さんに対し、個別性の高い評価とアプローチが必要とされます。その人がもどるお仕事に必要とされる能力を、細かくヒアリングしながら、どんな能力が必要であるのか、想定しなくてはいけませんれが評価・アプローチの問題)

つまり、症状は軽度かもしれませんが、医療職の知識と技術が、非常に求められるのです。

しかし、医療の現場では、救命できた、ADLが自立した、これで安堵し、軽度の高次脳機能障害や失語症の人は、「軽くてよかったですね」「なんとかなるでしょう」という認識です。就労にもどって困っている高次脳機能障害・失語症の人と、この医療職の認識の差は、驚くものがあります。

かくいう私も、病院に勤務していた時は、ここまで想像できませんでした。ただ、当時は外来リハも、職場見学も行けた時代でしたので、少しはマシだったかなと思っています。今、どんどん医療保険でのリハの期間が短縮しているので、ますます、多くの医療職は、就労における問題を知らないのではないかと感じています。

研究方法については、明日。

興味ある方はこちら (株)くるみのもりまで→kuruminomori8@gmail.com

私の活動をご紹介

 

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