話すことよりも、しっかりと聞き、YES・NO反応を確実に~失語症の方がいる家族さんへ
話せないことをが目立つために、「話せるようになってほしい」と訴える家族さんが多いのですが、話す前にまず「聞く力」をつけることの方が大事です。
外国語の習得でも同じで、まずは理解することからですよね。
コミュニケーションは言葉以外でも図ることは可能です。特に失語症のある人は、言語以外の情報を、持てる能力をフル発揮して受け取ろうとするので、身振り手振り、状況判断などで「なんとなく」わかっています。なので、家族さんは「言ってることはわかっているんですよ」と言います。しかし、本当に理解してるのかどうかは微妙なところです。
理解があいまいであると、「うんうん」と頷きやすくなるのですが、どうしても理解しているのか確認したいときは、反対の言葉を言ってみて確かめてみるのも手です。例えば、「明日は病院だよね」に「うん」と言いますよね。少し時間をおいて、「明日は、病院に行かないよね」「病院は明後日だった?」とあえてNOの質問をしてみましょう。それでも「うん」であれば、理解が曖昧ということです。正しいことを、ゆっくりはっきり伝える、または紙に書いて確認するなど、お互いに齟齬が生じないような工夫をしてみましょう。
そして、本人は「いいえ」のつもりでも、その表出が苦手になっていることもあります。「はい」「いいえ」を、身振りでもいいので、はっきりと表出するような促し、関わりが大事です。この表出ができるようになると、家族さんとの会話は通じる場面が多くなります。なので、話すことよりも、まずは相手の話をしっかり聞いて、「はい」「いいえ」をお互いが確認するといいですね。
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