同じ障害のある人はどうしているのかな?~失語症の方がいる家族さんへ~
家族さんの中には、失語症を学ぼうと様々な本を探される方も多いですね。しかし医療関係者向けに書いてある本は、あまりおすすめしません。学術的で医学的な本は、多くの症状を網羅するように書いてあり、ご本人様にカスタマイズしたものではないのです。リハビリテーションメソッドも書いてありますが、それは専門職が評価して選ぶものです。なので、よく失語症の本を買って「先生よくわからなかったです」と言って、病院に持って来られる家族さんも少なくないですね。医療系の本は高いのでもったいないなと思うのです。先に、担当の言語聴覚士さんに、どういう症状なのか、どんなことができて、どんなことが難しいのか尋ねてみるのが一番良いかと思います。そして、もし学びたかったら、どんな本がいいか聞いてみてもいいかもしれません。しかし!周囲に言語聴覚士さんがいない、またはいてもあまり失語症に関りがなさそうだなっと感じる場合は、当事者会や、意思疎通支援事業などもありますから、そうしたところでアドバイスをもらうのも一つです。
ちなみに、こちらもご利用くださいね→よろず相談
NPO法人失語症協議会もあります。
他の失語症の人がどうしてるのかなと知りたい場合は、最近は、家族(少数ですが当時者も)ブログなど多く書かれています。ご本人とは症状が違うかもしれませんが、生活の中で、どんな経験をしてどういう風に過ごしてきたのか、どんな困りごとがあって、どのような工夫をしているのか、そうした失語症や家族の経験を聞くというのは、非常に参考になると思います。特に、これまで病気や障害と無縁であった人は、「同じような人がいるのですか?」と質問をしてくる方が非常に多いです。
自分以外に、同じ障害の人はいない、また就労世代や若い人は、この年齢ではいない、私だけと思いがち。これでは、非常につらいですよね。実は全国に50万人以上もいるのですが、多くの失語症の人は、コミュニケーションが難しくなるので、社会に発信することが難しいから、知られていないのですね。同じ障害の人がいる、そしてこういう風に生活を再建し直したんだ、このようなことを、本人、家族さんが知ると、この先の希望が見えてきて、非常に有益だと思います。
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