脳卒中と過労について~高次脳機能障害と失語症の当事者インタビュー~

脳卒中と過労について~高次脳機能障害と失語症の当事者インタビュー~

ルポライターの鈴木大介さんと、高次脳機能障害・失語症の方を対象にインタビューをして、冊子を毎月発行しています→「脳に何かがあったとき」
今回、大手企業のばりばり会社員の方を取材しました。

皆さん、働きすぎのリスクについて、真剣に考えてみませんか?

脳卒中で倒れたとき・・

脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患は、ある日突然発症する。「まさか自分が」「これからの生活をどうしたらいいのか」と、どの患者さんも混乱しているだろうと思っている医療職は、私だけではないはず。ところが、今回取材したYさんは、病前に送っていた深夜まで働き常に頭の中で仕事のことを考えていた生活には、「もう戻らなくていいかな・・」と思っているとのこと。倒れて数日は全く記憶がないのですが、リハビリ病院に転院したころは「ま、ひさしぶりにゆっくりするか」と思っていたとのことです。

この冊子の記事を書いている鈴木大介さんも、脳梗塞で倒れた時に「あ~これで締め切りに追われない」とちょっと安堵したと語っています。

アフリカで長年研究をしていた三谷雅純先生も、脳塞栓症で搬送された病院のベットの上で、「これでやっと、誰に遠慮することなく眠ることができる」と眠りに落ち、そして「仕事をあれこれ心配するよりも、その時はただ眠れることが嬉しかった」と語っています(http://igs-kankan.com/article/2021/07/001354/)

 こうした当事者の声は、かなり驚きでした。早期離床が推奨される昨今、急性期病院では、「少しでも早く」と、理学療法士や認定看護師が、バイタルチェックをしながら、声をかけ身体を起こします。でも、実は、多忙な毎日を送ってきた患者さんは「ちょっと休憩」という気持ちになっているのかもしれません。

脳卒中予防10か条に書かれていないこと

 特に就労世代については、発症前の生活が多忙を極めている人は少なくないです。入院時に、本人または家族から、生活について主に看護師がヒアリングをしますが(アネムネ)、まあ、睡眠時間が短いだけでなく、めちゃくちゃ不規則な人がおどろくほどいます。ほとんどの人が、睡眠時間を削っている原因は、遊びや趣味でなく、仕事です。女性は家事・介護が入ります(日本では、いまだに女性にこれらがのしかかります)

しかし、脳卒中の主要危険因子も、脳卒中予防10か条も、メタボリックシンドロームや喫煙、飲酒については注意喚起していますが、この「多忙極まる生活」に関することは書かれていません。

ネットを使って、どこにいても仕事ができる。リモートワークでは、勤務終了時間があいまいになり、いつまでもパソコンの前に座っている。コロナ禍で、そんな生活環境にある人が増えています。「働きすぎ」「睡眠不足」なども、脳卒中の危険因子として、追加してほしいと思います。

患者さんの気持ちは・・

入院している病院では、廃用症候群の予防のため、早期離床はとても大事!

ですが、病前も忙しい日々を送っていたのに、発症直後でさえも、「はやく、はやく」と追い立てられていてるように感じている人も少なくなさそうです。「ほっといてくれ」「起きたくない」という態度は、リハビリ拒否というよりも、「ちょっとゆっくりさせてほしい」という気持ちになっているだけかもしれません。

私の活動をご紹介

すべての人が、自分らしく社会参加できる、自分の力を活かして稼げる「幸福な経済圏」が作れたらいいなと思って活動しています。

  • 当事者の社会参加と家族ケア・啓発活動
    NPO法人Reジョブ大阪
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    くるみの森 オンライン言語リハ
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    脳ケアゼミ
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    現場19年、大阪の元気な言語聴覚士が、患者から学んだ人生の処方箋。
    コロナ禍の中、先行き不透明な時代にこそ、多くの方に読んでほしい!
  • 講演・研修多数
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