高次脳機能障害・失語症の就労の知恵「脳に何かがあったとき」12月号、チラ見せ第2弾!

高次脳機能障害・失語症の就労の知恵「脳に何かがあったとき」12月号、チラ見せ第2弾!

みなさん、こんにちは。私が2021年から心血を注いでいる高次脳機能障害・失語症の方の当事者インタビュー冊子「脳に何かがあったとき」

12月号は、長年支援の現場で働いたきた(それこそ〇十年!)支援職4名が、社会課題、必要な支援について語っています。前回は、就労アドバイザーの大場龍男先生と、公認心理師の山口加代子先生について書きました。今日は、作業療法士の辻寛之さんと、言語聴覚士の私の記事を一部、シェアします!

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退院後、地域生活を送るうえで大切なものは?

まず、脳卒中や交通外傷等により、後天的に脳損傷になった場合、目に見える麻痺等以外の失語を含む脳機能障害は医療機関退院後に更に顕在化するということです。病院は診察や検査、リハビリ等、その全てが個別対個別でリスク管理の徹底された安心安全な場所で実施されます。しかし退院後は脳機能障害のことを知らない方が多くいる不安心不安全な場所で、受傷発症前の脳機能ではない状態で過ごしていくことになります。このことが
脳機能障害を顕在化させてしまうことに大きく繋がります。顕在化されると本人の自尊感情や防衛機制に大きく影響し障害受容(僕は完全には出来ないと思うし完全にする必要もないと思っていますが)の妨げになり、気づき・アウェアネスが高まらなくなる原因になると思います。気づき・アウェアネスが高まらないと地域生活における就業生活はなかなか困難になると言われています。ではどうすれば良さそうなのか、僕なりに考えてみました。(中略)ようは自宅に来てもらうサービスのみではなく、自ら
事業所に通所するということが非常に重要だと考えます。(中略)自身の脳機能状態を徐々に把握していくことが気づきを高めていくことに不可欠なのですが、脳疲労への耐久性をつけるにあたり、自宅では刺激量が少なすぎる、いきなり会社では刺激量が多すぎるということです。幼稚園から小学校、小学校から中学校、中学校から高校という1日のスケジュールや時間割、クラブ活動などをイメージして頂くとわかりやすいのではないかと思います。

辻さんは、以前、就労移行事業所に関わっていました。2年というしばりがない形で支援したいと、このたび、B型就労継続支援事業所を立ち上げました。この冊子の発送は、辻さんの作業所に委託しています。辻さんと私の対談はこちら↓↓

社会復帰にむけ、コミュニケーション支援がなぜ必要なのか?

さて、私が書いたのは失語症・高次脳機能障害の方に対する、社会復帰に向けた「コミュニケーション支援」についてです。日本では本当にないがしろにされているなと思っています。なぜ必要なのかというと、

復職前に、失語症・高次脳機能障害の人は、上司や人事、産業医と面談します。そこで、大抵の人が「何ができるの?どうしたらいいの?これまで前例がなくてわからない」と言われる。残念なことに、コミュニケーション障害があると、自分で自分のことを相手に上手に伝えられない。まして、高次脳機能障害により自己認識の障害があると、そもそも自分で自分のことがわかりにくいのである。障がい枠で入社しても健常者と同等の能力を求められる現実に直面している人も少なくない。出来ないのに出来ると思われる苦しさ、仕事場における障がいの過小評価の問題。障害の過小評価は、無理解、差別につながりやすい。反対に能力の過小評価の問題もある。「仕事ができない人だと判断され、閑職に回されました」等のできるのにできないと思われる問題だ。特に失語症の方は、ことばがスムーズでないために、知的に低下していると思われがちである。わからないだろうと勝手に推測され、申し送りがないという声も聞かれた。こうした能力の過小評価は自己肯定感の低下につながりやすい。

言えないから困っているのに、質問されるわけです。そして、本人がうまく伝えられないから、双方の誤解が生じるのです。そこ、第三者が入ってあげてよって思いませんか?

通勤ができて(リモートでも可)、職場で役割があって、そして職場の人とのコミュニケーションの3つが必要である。与えられた業務内容遂行できるだけでは仕事はスムーズにはいかない。多くの人が躓くのが人間関係で、その人間関係のもとになるのがコミュニケーションである。

哀しいかな、病院の言語室で行うリハビリのほとんどが、言語機能の回復のためで、コミュニケーション能力の改善を目的とした実用的なものではありません。でも、これ言語聴覚士の責任だけではありません。社会復帰にむけたプログラムの教育もされていませんし、そもそも、今の言語聴覚士の業務は嚥下障害がほとんどですから。以前、250名以上の言語聴覚士から回答を得た「業務割合」についてのアンケート結果を冊子に掲載しています。

失語症・高次脳機能障害のコミュニケーション支援については、こちら「ことばの天使」YouTube公開しています。ご覧になってください。

 

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