最も有名な高次脳機能「記憶」について
前回は注意機能についてでした。今日は「記憶」についてです。記憶の機能とはインプットされた情報を頭の中に置いておいて、必要なときに取り出すことです。思い出すだけが記憶ではないのです。そもそも頭にインプットされないと記憶には残りません。さらに、ちゃんと頭の中に入っていても保存できずに消えてしまうとこれも記憶ができません。もちろん頭の中に入っていても、保存されていても、必要なときに引っ張ってこれないと、記憶が活かされないですよね。
記憶というのはいろんな種類があります。
言葉にできるエピソード記憶
「昨日あんなことがあったよ」とか、自分の身の回りのことでもいいし、世の中のことでもいいけれども、「言葉で語ることができる」「日記に書くことができる」そういうのをエピソード記憶といいます。
物の名前など意味記憶・辞書をイメージしてください。例えば赤くて甘い果物をリンゴと言う、4本脚でワンワンと鳴く小型動物を犬という。それぞれの言語で、こうしたものをこういう言葉で表現すると決まっていますが、それらに関する記憶を意味記憶といいます。辞書に表せるもの=意味記憶と思ってもらえるとイメージしやすいですね。
身体で覚える手続き記憶
言葉にはできないけど、身体が覚えている手続き記憶というものがあります。自転車の乗り方は言葉で説明できないけど、自転車に乗ったら体が動いてるじゃないですか。これを手続き記憶といいます。
作業の間だけ覚えておく作業記憶
よく有名なのが電話をかける間だけ電話番号を覚えておいて、その作業が終わればもう忘れてしまう。小耳に挟んだこと、頭に浮かんだことをメモするまで覚えておく、こうしたちょっとした記憶です。こういう記憶ができるので、私達の生活は効率よく回るわけですね。
では、脳を損傷することで、この記憶の機能に障害が生じたらどうなるのか?それは明日にお伝えします。
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