地域包括ケア時代におけるセラピストの仕事はどう変わる?〜言語聴覚士のお仕事〜

地域包括ケア時代におけるセラピストの仕事はどう変わる?〜言語聴覚士のお仕事〜
2017年言語聴覚士学会の参加報告です。本日は、理学療法士・作業療法士協会会長から、地域包括ケアシステム時代におけるセラピストの仕事、役割についての提言をまとめたいと思います。

公益社団法人理学療法士協会会長・半田一登先生より「もっと地域に出ていきなさい」

半田先生の提言は、人口動態や医療・介護の財政事情などマクロの視点から、セラピストはどのような働きをしていくべきかという提言がありました。
私たちは、これまで目の前の患者さんや利用者の方に、直接アプローチをするhands on skill を非常に重視してきました。しかし、これからはhands-off-skill つまり
  • 転倒防止などの介護予防教室での指導
  • 障害をもったまま生活している方向けの講習
  • 高齢者や障害者を支えるケアマネージャー、訪問介護や看護の方へ知識と技術の伝達
こうした、目の前の患者さんや利用者さんを直接治療するだけでなく、幅広く多くのひとに関わっていく活動が重要であるとのことでした。
さらに、既存の箱物を利用した「新システムの導入や、提言」について話があり、これまでの実績が紹介されました。その中で印象に残ったのは
  • リハビリ室を地域に開放して、有料の介護予防教室を開催。売り上げでリハ室におく器具を購入しさらに充足化
  • 入院中の患者さんについて、一人でどこまでできるか?の視点で積極的に外出訓練を実施
  • 障害をもって生活している人でチームを形成、障害者が障害者を支援する活動
などで、これらの根底には「時間、金銭、安全の自己管理ができるように指導し、一人一人を社会へ誘導する」という理念があります。して「防止、治す、支えるセラピストの視点で働く」という信念を語っておられました。

最後にご紹介があった「日本健康会議」のHPです。高齢化だけでなく少子化も進んでいる日本では、医療、福祉、経済すべて協働で取り組むことが必要なのかもしれないと感じました。

公益社団法人作業療法士協会会長・中村春基先生より「入院中から地域包括ケアは始まっている」

現在、リハビリ職の多くは病院勤務です。そうした事情を踏まえ中村先生からは
病院と地域はつながっている、病院から在宅生活を見据えて取り組んでほしいという提言でした。
症例紹介では
  • 退院後もこれまでの活動に参加できるように、ご近所さんとのつながりという社会資源に着目し。入院中に自宅に外泊し、その時にご近所さんを自宅に招く。
  • ふらつくので立つことが怖くなった方が、入院中に知人との交流を図ることで、少しずつ自宅に帰った時のイメージがつき歩行の機会が増えた。退院後、しばらくすると喫茶店まで外出できるようになった。
などがありました。すごいですよね、これまでも「退院してからの問題点を評価、できることを確認」するという目的で入院中に外泊、外出をすすめている病院は多いかと思いますが、ご近所さんもご一緒に、という視点は新鮮です。
もう一つは、地域を支えていく自覚が必要であるとのこと。医療は都道府県単位ですが、福祉や介護は市町村単位。行政単位が細かくなることで、予算は小さいですが、より顔が見える関係でニッチなケアやニードにあった支援が可能となってきます。そして、「これは地域で住みにくさを感じている全ての人が対象です。高齢者だけではないのです」とのこと。さまざまな障害を抱えている人、経済的に困窮しているひと、これまでは「国がなんとかしてくれる」という時代でしたが、今後は自分ごととして地域で取り組む、関わる人も職種の垣根をなくし、できる人ができることをしてみんなで支えあっていく「共助、互助」が求められているのです。こちら、介護予防・日常生活支援統合事業に関する厚労省のサイトをご参照ください。しかし・・いつも思うのですが行政の資料ってもう少し簡潔にならないものでしょうか。読み解くのが大変です。

次回は、言語聴覚士協会会長と、デイケア協会会長さんから提言をまとめたいと思います。

2017年言語聴覚士学会、こちらも合わせてお読みください

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