オンライン言語リハビリ「ことばの天使」~言語聴覚士のお仕事~

オンライン言語リハビリ「ことばの天使」~言語聴覚士のお仕事~

みなさんこんにちは!本日4月25日は失語症の日です。その発起人、言語聴覚士(ST)の西村紀子です。今日は私の事業である「オンライン言語リハビリ」についてお話させて下さい。

失語症の日オンラインイベントはこちら→ここをクリックすれば見られます https://youtu.be/7c6CrOzTI-s

2018年末「そうだ!オンラインでいいじゃない」

 私は、2018年5月、NPO法人Reジョブ大阪を設立し、生活に戻った失語症や高次脳機能障害の人の支援を始めました。そこでたくさん聞いたのが「言語リハビリをしたいのにできない」という当事者や家族の声です。当時、急性期病院に勤務していた私ですが、退院していく患者さんを見ながら、「外来で言語リハビリをしたいな」と双方が思っても、通院が難しいという理由で、あきらめざるを得ない人がたくさんいました。こうした現状をみて、ふと「オンラインで言語のリハビリをしたらいいのでは?」と思いついたのです。

当時はそんな話をすると、「は?ふざけてるのか?」とか、「オンラインで言語のリハビリなんてできるわけがない!」とか、お叱りを受けたものです。「うー、これでは言語聴覚士協会ににらまれるのではないか?」と、ビクビクしていた記憶があります。でも、医療と全く関係ないお友達に相談すると、「は?なんでダメなの?」と、すごく不思議な顔をされたのです。自分で勝手に制限をかけていたのですね。今、「さっさとやれよ!」と当時の私に言いたい。

 

2019年「まずは研究だ!」

それでも当時は悶々と悩みつつも、やめるという選択肢はなかった私。

それなら、まず、研究して効果を調べたらいいのではと思い、「テレビ会議システムzoomを用いた失語症向けオンライン言語療法の問題点と効果」というタイトルで、研究計画書なるものを作り、三菱財団・就労研究助成金に申請したわけです。当時は、zoomがこれほど一般的でないため、テレビ会議システムという文言が必要でした。

うーん、この頃は辛かった!なぜなら科研費に落ちまくっていたし、指導者もいない環境で、血を吐く思いで、苦手意識と戦い、申請書を提出した思い出があります。八つ当たりモードに突入した日もあった、笑。

しかし、三菱財団の「草の根のような研究を応援する」と言う理念にかなったのか、私の研究は採択され、2019年の秋から研究を始めたわけです。

2020年「オンラインが当たり前の時代に!」

そして、2019年の年末からコロナウィルスが話題となりました。感染拡大に伴い、不要不急の外出が制限され、他人との交流の手段として、オンライン利用が当たり前になっていきます。

始めは、研究メンバーの言語聴覚士でさえzoom操作がおぼつかなく、試行錯誤を繰り替えした研究でした。それでも10名のモニターの方に協力頂き、着々と毎週1回30分のオンライン言語リハビリを続けることができました。半年もしないうちに、発症して何年も経過している失語症の人も改善がみられるようになってきました。

「これはいける!」と、オンライン言語リハビリの手ごたえを感じ、ブログで告知して、1人で事業化を始めました。年末にはビジネスプランコンテストでも入賞したのです。

*写真はいつも応援してくれる隆祥館書店の店長、二村さんに報告に行ったときのもの。

2021年「私ひとりでは限界が・・言語聴覚士メンバー募集!」

さて、ビジネスプランコンテストに出るころ、某社長さんからのアドバイスが「言語聴覚士の育成と○○」だったのです。○○については、もうすぐリリースするので秘密です。

そこでオンライン言語リハビリの担い手となる言語聴覚士さんの募集を始め、今は12名でチームを作っています。

この頃、自費リハビリを中心に「コロナ禍で通所ができないなら、オンラインで」という流れが出てきました。でも、私は初めからオンライン1本です。理由は、コストが抑えられるからです。実は、私、一度、起業で失敗しています(涙)。場所をもつことってホントにしんどいなとしみじみと思ったので、オンラインに特化して考えていました。

失語症の人は、復職が難しい人が多くて経済的に余裕がない人も少なくない、回復までに時間がかかるから継続してほしい、こうした理由で、なるべく低価格でリハビリを提供したかったのです。それに、通所や通院の手間がかからないってことが最大のメリット!お仕事をしても、自宅で継続しやすいですよね。おまけに海外にいる人でもOKです。

2022年「ことばの天使が、いいんじゃない?」

しかし、私は言語リハビリにはすごく思いがあるのですが、経営はど素人。何をどうしていいのか全くわからず、紆余曲折の日々。アホなこともたくさんしてお金や時間をドブに捨てました(いや、この経験が今に生きているのでドブに捨てたではないかも?だけど)

そこで前から面白いなぁと思っていた経営者Aさんに、「あなたの知り合いでオンライン言語リハビリの経営に興味ある人はいらっしゃいませんか?いえ、ぶっちゃけ、あなた、興味ありませんか?」と、ダイレクト営業をかけたわけです!いやぁ、ビジネスマナーもなんもあったもんじゃない、笑。怖いもの知らずとは私のこと。

まぁ、私のこの勢いに押されたのかどうかわかりませんが、2021年の年末から、A氏の関連会社である(株)イノベーションサービス社で、オンライン言語リハビリを展開することになりました。A氏の頭に「天使」という言葉がおりてきたようで、そこから検討し、事業名は「ことばの天使」に決めました。

 

実は、天使という言葉には思い入れたがありまして。私がまだ言語聴覚士になって5年目のこと。ある療養病棟で、嚥下障害のおばあちゃんが体調をくずして絶食になったとき。私がリハビリで伺うと、病棟師長さんが「〇〇さん、よかったね。救いの天使さんが来てくれたよ」と声をかけたというエピソードがあって、私の中でもお気に入りの言葉なのです。

オンライン言語リハビリを必要としている人に、ぜひ、ご紹介頂けると幸いです!

→ことばの天使は、こちら。https://lp.kototen.jp/

私の活動をご紹介

 

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