失語症・高次脳機能障害がある方に希望を伝えたい~言語聴覚士のお仕事~
私は2021年2月から失語症・高次脳機能障害の方の就労をテーマにしたインタビュー冊子「脳に何かがあったとき」を毎月発行している。もともとは、言語聴覚士として、医療や福祉で取りこぼされている軽度の人たちの課題を調査したいという思いがあった(これは2018年に研究申請したものの、あえなく玉砕・・)それから紆余曲折あり、今に至る(経緯はまた別の機会に)
予後予測ってなんだろう?
インタビューを重ねるたびに思うのが、いかに生活期の人たちの実態を知らなかったかということ。失語・高次脳機能障害だけでなく、麻痺も、長期に回復するなんて、思いもしなかった。言語聴覚士なので、ことばの長期回復は知っていたが、身体もか!と、インタビューを通じて知ったのである。なぜなら、「6か月プラトー説」があまりにまかり通っているから。
この冊子でインタビューした人たちは、全員、長期に渡って回復している。まったく元と通りでないし、回復の幅は大きくないかもしれないが、それでも年単位で回復している。
私が事業化しているオンライン言語リハビリ「ことばの天使」でも、退院時に「失語症はこれ以上改善しません」と言われた人が何人もいる。もちろんリハビリ継続することで、回復している!発症半年以内でよくそんなことを言うな・・と怒りを通り越して呆れる。(失語症は年単位で回復できると、むか~しから言われています)
呪いの言葉でなく、希望の言葉を伝えたい
病院では、予後予測といって、このくらいになりますよという「予測」を伝える。これがあっているのであれば良いが、わりと当てにならないものだなと実感している。あなたはここまでしか回復しないと言われるから、そこまでなのではないだろうか?と、今の私は思っている。
高齢者に加齢とともに記憶力が低下すると暗示をかけると、記憶力テストの成績が顕著に落ちる
習慣を変えれば人生が変わる より
言語聴覚士なので、あえて自分にも言い聞かせているのですが、「回復しませんよ」は、実は専門職の言い訳だったりする。ここは心したい点です。
失語症の回復に限界はない。限界があるのは、私たちセラピストの関り方です
ことばの天使顧問 浮田弘美先生より
私がお伝えしたいことの一つは、「希望を伝える」ということです。希望を伝えると言うと、医療の現場では「呑気で安易なことを言うな」という風潮ではありますが、希望は大事です。決して根拠がないことではありません。だって、回復事例はたくさん存在するのですから。そうした事例をたくさん知ってほしいと思って冊子事業をしています。
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