自分を信じて〜失語症の日・関啓子先生の講演から〜

自分を信じて〜失語症の日・関啓子先生の講演から〜
4月25日に開催された失語症の日イベントについてまとめています
これまでの記事はこちら→
沼尾ひろ子さんについで、言語聴覚士の大先輩である関啓子先生による講演でした。
先生の略歴についてはこちらをご参照ください→ウイキペディア
 2003年に言語聴覚士となった私にとって、養成校の授業でお名前を拝聴した大先輩、言語聴覚士の草分け的存在です。

失語症は本当に孤独で辛い障害です

関啓子生生は、ご自身も脳梗塞により失語症•高次脳機能障害となりました。長年、臨床と研究を続けてこられた先生でさえ、退院した後の生活は想像できない厳しいものだったとか。しかし
これまで知らずにいた当事者の現実について新たな発見や貴重な学びを得ました。長く身を置いた病院と言う環境の中でリハビリを「する側」から「される側」に立場が変わったこの経験は、専門家の目を持ったまま脳損傷者の内側から、過去の自分の活動や人生を見直す貴重な機会であったと思います。
と、おっしゃっていました。私も言語聴覚士で多くの失語症の方に接し、それなりに勉強もしてきたのですが、やはりこの現実に直面した思いと言うのは、なかなか実感できないものです。かつて「失語症の人の生活のしづらさ調査」を読んだときに、こういうところで困るのかと、いかに病院という環境で接していると盲点が多いのか愕然としました。例えば

・停留所の名前が読めずバスの支払いでもたついてしまう
・ATMの操作ができない
・タクシーの支払いで揉める
・電車が緊急停止した時に何が起こったかわからない
などなど
    とにかく困り事がたくさんあるのです
この言葉を重く受け止めたいと改めて思うとともに、私たちの社会が高度なコミュニケーション能力ありきで構成されているのだと実感します。聴覚障害、視覚障害、発達障害、軽度認知症など、他にもコミュニケーション障害を抱えている人は何万人もいますが、多くの人が困っているだろうなと思います。さらに、今は、オンライン社会にも突入・・この格差が大きな社会問題になる前に力を合わせたいものです。

自分の力を信じて

心的外傷後成長PTGってご存知ですか?
私は、以前、関先生の講演に行った時に初めて知りました。
危機的な出来事や困難な経験との、精神的なもがきや戦いの結果生じる、ポジティブな心理的変容の体験(Tedeschi&Calhoun  2004)
生死をさまよい救命できた患者さんが、言葉を失った現実に愕然とし「死にたい」と思う気持ちを聞くたびに、「先生にはわからない」と訴えられるたびに、そして、言語室で涙を流すとき、私たち言語聴覚士は無力感に襲われます。
それでも再びその人の力で言葉を再び取り戻す姿に励まされます。そうです、当事者から学ぶことは本当にたくさんあるのです。その際たるものが、この再び立ち上がる力です。
自分の力を信じ、諦めずにチャレンジすれば、時間はかかりますが年単位で治っていくものです。病前と同じレベルまでに回復することは困難ではあるものの、経験上、工夫次第で適切なコミュニケーションができると思います
今、コロナウィルスがにより社会が世界が大きなダメージを受けています。多くの人が、大変な思いをしていると思いますが、こうした人生を揺るがす大きな出来事にぶつかり、そこから立ち直っていった当事者や家族さんから、学ぶことがたくさんあるのではないかと思います。

自分の力を信じて

社会全体にこの言葉を届けたいと思います。私も、潜在意識に染み込むまで、何度も言い聞かせます。
こちらもお読みください。大谷邦郎さんが失語症と言語聴覚士について記事を書いてくれました→妄想レィディオ

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