失語症リハビリの重要性と長期的サポートの必要性
前回の続きです。
失語症は通常、時間をかけて改善していく障害です。しかし、昨今の医療情勢や回復期病院のFIM効率の観点から、失語症者は回復期転院が難しく、リハビリ終了が実態となっています。
残念ながら、失語症の言語機能は脆弱で、使わないと低下し、退院後にもっとも改善できる時期が過ぎてしまうことがあります。
適切なリハビリがないと、数年かかるはずの言語機能の回復が不十分で、その後の廃用による低下が生じます。
これが失語症者だけでなく、その家族や社会全体にとっても大きな問題となります。
言語聴覚士は図3からもわかるように、失語症に関わりたいと願っています。
現状を改善するためには、医療現場の方々に失語症リハの重要性を認識してもらうことが必要です。
医師には処方箋だけでなく、具体的な指示を出してもらうことが望まれます。また、言語聴覚士も経験と知識を継承し、次世代を育てる努力が求められます。
医療保険がひっ迫している中、保険外サービスの増加傾向にある中で、オンラインの利用が一つの解となる可能性があります。
これにより通う負担が減り、サービス提供コストも削減できるかもしれません。
ことばの障害は命を奪うものではないかもしれませんが、社会的な損失は非常に大きいため、失語症者への長期的支援と言語リハの重要性についての理解が広がることを切に願っています。
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