子どもの高次脳機能障害とは?理解と支援の必要性
今回は、子どもの高次脳機能障害についてです。
この障害は、6ヶ月から学童期までの子どもたちを対象としており、成人とは異なる疾患です。
原因としては、頭部外傷、脳炎、脳症、低酸素脳症(例えば、溺れることが原因)、そして小児でも脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が考えられます。これらの脳損傷の治療を受けた結果、後遺症としててんかん、知的障害、運動障害、精神障害、そして高次脳機能障害が残る可能性があります。
その結果、記憶が低下し、勉強についていけない、コミュニケーションが難しく友人関係を築くのが難しいなど、多くの困難が生じる可能性があります。
さらに、発達障害ほど知名度が低いため、診断されていない子どもも多いのが現状です。
これが成人になるとより深刻な問題に発展する可能性があると考えられます。
以前、大阪市立総合医療センターで講演を聞いた九鬼先生も、「発達障害と高次脳機能障害を区別するのは難しく、幼少期ほど難しい。特に学習障害は生まれつきの障害で、6歳以降にわかることが多い。しかし、病気や受傷が6歳前であると、生まれつきなのか後天的なのかを区別することが難しく、医師が診断しにくい」と指摘しています。
しかし、親としては「診断名はどうでもいい、これからどうしたらいいのか知りたい」という気持ちが強いのではないでしょうか。
ただし、現状ではケアや支援がほとんど存在しないため、診断だけでは困惑する親御さんが多いのが現実です。
医療保険や各種制度の利用には診断が必要ですが、診断だけでは「どうしたらいいのか」という不安が残ります。
九鬼先生の講演でも、「なぜ、これだけ問題があるのがわかっているのに、リハビリテーションをうけるところがないのでしょうか?」と涙ながらに声を詰まらせている親御さんの発言がありました。
私がかつて関わっていたお子さんも、年齢が上がるにつ入れ、学習面で問題が生じてきましたが、支援なし。
「なぜ、悩み苦しんでいる子供たちや、家族がいるのに、なぜ、何も支援もアドバイスもないのでしょうか。私たち親子にとって、一生の課題です」とメールにありました。
このお子さんは、高学年で受傷、開頭手術までしたのに、「高次脳機能障害」の診断がつかなかったという・・あり得ない!と思って、あちこち紹介、ようやく、診断だけついたけれど、その先がないのです。
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子供が自立するまでは子育て記事も書いていましたが
この数年は言語聴覚士に関係することだけを書いています。
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