高次脳機能障害にまつわる質問に対する答え

高次脳機能障害にまつわる質問に対する答え

先日から、高次脳機能障害について説明をしています。

さて、今日はその行政定義の高次脳機能障害についてお話をします。この行政が定義している高次脳機能障害については、以下の診断基準を参照してください。http://www.rehab.go.jp/brain_fukyu/rikai/

ここでは

  • 脳が器質的に損傷している、つまりCTやMRIで確認ができること。
  • 注意、記憶、遂行機能というものが低下していること。
  • 感情のコントロールとかやる気とか、情動の問題が生じている人もいる。
  • 急性期、つまり病気したり怪我をしてすぐのときは、こういう症状がたくさんの方に起こるわけですけども、そういった急性期の状態を出した後にも、この障害が残っている、いわゆる後遺症がある場合で、かつ、日常生活や社会生活への適応が困難になったら、高次脳機能障害です。

こういったことを考えると、よく聞かれる質問に対してこう答えることになります。例えば、

  • 高次脳機能障害て治るんですか?に対しては、進行性疾患なのか、脳血管疾患なのかで違います。そしてどこを基準として回復を図るかも違います。つまり「この機能障害は改善しますよ」とも「これはかなり残存します」とも伝えることができます。
  • 失語症は高次脳機能障害ですか?に対しては、行政定義でしたら「違います」、学術的定義なら「失語症は高次脳機能障害です」という話になります。
  • 私って高次脳機能障害なんですか?という質問に対しても、やはり「日常生活に差しさわりがあればそうですよ」でも、「脳が損傷してたらそうですよ」、さらに「発達障害とか認知症でも、高次脳機能障害に当てはまりますよ」っていう人もいます。

定義によって何をもって高次脳機能障害っていうことが変わってしまうので、相手が何を基準にしてるか、そこを確認しないといろいろ行き違いが生じてしまいます。結構、面倒ですね・・だからいまだに現場でも混乱があるのだと思います。

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