最も高次である「遂行機能」について

最も高次である「遂行機能」について

おはようございます。言語聴覚士の西村紀子です。この記事では見えない障がいと言われる『高次脳機能障がい』・『失語症』についてお伝えします。ご本人・ご家族・言語聴覚士を始めとする支援者の方が少しでも生活における困りごとと背景について理解することができるよう書いていきます。

最も高次である「遂行機能」について

さて、高次脳機能を説明するのに良く用いられるのが、神経心理ピラミッドです。これは、高次脳機能が階層性をなしていることを表現しており、脳機能の解釈するにも、今ある症状を説明するときにも、とてもわかりやすいものです。

そして、この上位に「遂行機能」というのがあります。これは複数の情報を組み合わせて判断したり、段取りを考えたりする脳機能です。例えば、私が、明日東京に行こうかなと思ったときに、飛行機だったら、新幹線だったらと、金額や行き先や利便性とかいろいろ比較しますね。そして、様々な情報を総合して、「やっぱり今回はこっちにしよう」というふうに決めますね。そういう風に、あれとこれとこれを合わせて結局どうするのっていうのを判断をしたり、仕事もBもCもDもあるんだけど、じゃあ何から始めたらいいのかなっていうふうに段取りを考えたりする働きです。よりよく物事を進めたい、それが遂行機能の働きです。そしてこれは行動の計画にあたります。

しかし、日常生活では、計画通りに進まないことがたくさんありますね、そのときに、行動修正をしていきます。例えば、自分が今日はカレーライスを作ろうと計画して、玉ねぎとにんじんとジャガイモと牛肉でも買おうかなとスーパーに行く。これが実行ですね。

ところが、行ってみたところ、いい牛肉がなかったり、玉ねぎよりも茄子がめちゃくちゃ安いとか、そういうのを見たときに、ちょっと今日はやっぱり牛肉のカレー止めて、麻婆茄子にしょうかなと、行動を修正するわけです。これも遂行機能です。

遂行機能が低下すると、生活が全く回らないほど困るわけじゃないかもしれませんが、要領よく生きていこうとしたら、この遂行機能というのはすごく大事なものになります。まして、今は情報が溢れている高度な社会ですし、昔の素朴な暮らしに比べて必須の機能になってきています。

 

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