言葉を話す脳の仕組み~もっと知りたい失語症その5~言語聴覚士のお仕事
みなさん、こんにちは。しばらく失語症について書いていきます。これまで「聞く」についてお伝えしてきましたが、今日からは「話す」についてお伝えします。
言葉を話すまでのプロセス
私たちは生まれてから、たくさんの言葉を聞いて、その言葉の意味を覚えていきますね。覚えた言葉を使用できて、ようやく、言葉を獲得したと言います。意味を覚えているかどうかは、本人以外ははっきりわかりませんから。言葉は、使ってなんぼということもあります。
その言葉を獲得するにあたって、私たちは、頭の中に言葉を仲間わけをして、それぞれ引き出しに収納していっていると言われています。もちろん目には見えないので、あくまでも仮定です。そして、私たちが言葉を話すときは、頭の中にあるその引き出しから、自分が言いたい言葉を選びます。そしてその言葉を構成する音を選択します。例えばご飯でしたら「ご・は・ん」になります。それを順番に配列します。そして最後に唇や舌を動かして、「ごはん」と言葉として発することができるわけです。
もちろん、文章を話す時は、「聞く」で説明をした通り、文法、つまり語順や助詞を適切に選んで、言葉を次々につなげて文章を作っていきます。
失語症の人の「話す」のこまりごと
失語症といえば、だれでも「話す」の困難さに気が付くのではないでしょうか。
- 単語のカテゴリーがわからない
- そもそも言葉自体が浮かばない
- その言葉がいくつの音でできているかわからない
- どんな音で構成されてるのかがわからない
- 音の順番がわからない
- 思ったように口が動かせない
こうした、いくつかの症状があります。例えば言葉の仲間がわからなくなると、「犬」と言いたいのに「コップ」のように、全く違う仲間の言葉が出てくることがあります。言葉自体がでてこない、「あれ、あれ・・」「えっと」という喚語困難と言う症状もあります。「鉛筆」と言いたいのに「エマエルリアル」よりのような音自体が非常に多くなって、一体何のことかわからない、これはジャーゴンと言うのですが、そうした症状がある方もおられます。たくさんあるので、次回から詳しくお伝えします。
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