要領よく生きるための遂行機能!高次脳機能障害で低下すると、どうなるのか?

要領よく生きるための遂行機能!高次脳機能障害で低下すると、どうなるのか?

おはようございます。言語聴覚士の西村紀子です。この記事では見えない障がいと言われる『高次脳機能障害』・『失語症』についてお伝えします。ご本人・ご家族・言語聴覚士を始めとする支援者の方が少しでも生活における困りごとと背景について理解することができるよう書いていきます。

日常生活がうまく回らない

前回の記事『最も高次である遂行機能について』の続きです。高次脳機能の中でも最も高次といわれる遂行機能。こうした遂行機能が障害されると、私たちの日常生活はどうなるのでしょうか。

  • いくつかある選択肢の中から、どれが一番大事で、どれが優先順位が低いのか、そういう優先順位をつけることが難しくなります。結果、目の前にあるもの、手が届きやすいものから順番に選んでしまいやすい(これを代償手段として取っている人もいます)
  • 見通しが立てられなくて、目の前のことにぱっと取びついてしまうこともあります。1年後の自分、1週間後の自分、これがこうなると見通せないから、とりあえず今あること、とりあえず今目の前のことに飛びつくというふうになってしまう。結構、「思いついたらすぐに行動」となってしまいます。
  • なかなか行動できない人からしたら羨ましいと感じるかもしれませんが、いえ、行動の修正なども難しいわけなので、計画を立てて、やってみて、それから考えるというPDCAは回りません。間違いとか、計画してみたものの、これよりこっちがいいなってなったときに、ぱっと修正ができなくなります。私は、こうするつもりだったのに、どうしたらいいの?っていうふうに戸惑ってしまいます。「牛肉カレー作りたかったけど、牛肉ないじゃん、どうしたらいいんだろう」みたいな感じで、他の献立に変更することがすごく難しくなります。
  • いろいろな情報の中から要点を絞り込むことができなくなるので、お話もあれもこれもあれもこれもと詰め込んじゃって、結局、何が言いたいか?になることが多いです。これが職場にもどった人からよく聞く悩みで、相手から「結局、何がいいたいの?」と言われて傷つく、口を閉ざしてしまうということがあります。

脳卒中や頭部外傷だけでなく

私たちは、生まれて成長するに伴い、日常生活で、つねに周囲の情報を取得し、そこから「もっとも効率が良い」「自分にとって都合がよい」行動をとっていくように、脳が発達していきます。これが遂行機能です。脳卒中や頭部外傷の後遺症だけでなく、発達障害、そして認知症、パーキンソン病などの進行性疾患でも、この遂行機能は低下するといわれています。

 

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