最後までこだわるのが口から食べること〜嚥下障害者の意思決定支援NO3
さて嚥下障害の倫理的ジレンマって聞いたことがありますか?
多くの人が最後の最後までこだわるQOLが口から食べることです。もうすぐ息を引き取る間際に、家族さんが望むものは、「声が聞きたい、少しのお水でもいいから飲んで欲しい」です。ごっくんとするところを見ると、「あー生きているんだなぁ」と実感するようです。誰も、そんな時に、手を動かしてほしいとか、立ち上がって欲しいなんて言いませんよね。ご本人さんも、例えば、寝たきりになったとしても、言葉が話せる人であれば、望むのは何か食べたい、そういう人がとても多いですね。
働くスタッフも、もちろん、何か食べて欲しいなと思うわけです。
ところが、誤嚥性肺炎や窒息など食べることによるリスクは非常に高いので、現場はモヤモヤと悩むわけです。
安全だからといってこのまま絶食でいいのか?この人にとって幸せは何だろうかと考えるわけです。
私もずっとこうした悩みを抱えていたんですが、これが多くの人にとって問題なんだなぁと実感したのは、2014年の日本摂食嚥下リハビリテーション学会です。この学会で嚥下障害の倫理について話がされてたんですが、この時、「今、目の前にいる患者さんと同じ医療行為をあなたは家族さんにもしますか」と言うアンケートについてシンポジウムで発表があったんです。「します」と答えた医師看護師は10%台しかいなくて、8割はしませんと言う答えだったわけです。驚きますか?でも、これは現場にいる人だったらなんとなく感じているのではないでしょうか。自分の親ならしない・・そんなことをスタッフルームや詰め所で囁いているのはよくある光景です。
医療の安全面を追求すればするほど、患者さんや家族さんにとっての希望からかけ離れていく。
こうした倫理的ジレンマが嚥下障害者にはあるわけです。
嚥下障害者の倫理について学びませんか?3月12日(金)20時~
倫理と法律とは?
この症例の何が倫理的に問題?
医療者はどんな関りがいいのか?
ワークをしながら学びます。
参加費1000円 お申込みはこちら→嚥下障害者の包括的支援
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