人生の豊かさを決めるのは人間関係~エリクソンのライフサイクルモデル~
人生の豊かさを決めるのは人間関係
私が子育てしている時に、ママ友の間で話題になった佐々木正美先生の「子どもへのまなざし」
本当に暖かく、そして子育てに何が必要なのか、むしろ、これを蔑ろにして他はあり得ないという基本のきを再確認できた本でした。
人生に感謝できますか?
この本はいつもふらりと立ち寄る本屋さん「隆祥館書店」で出会いました。ちょっと思い悩むことがあった私は、このタイトルと著者の佐々木先生の名前を見て、即買いしたのです。
読んでみて、1番の感想は「最も大切なことを私は忘れていたな」ということ。正直、思った内容とは少し違っていたのですが、私たちが人生を送るそれぞれの過程で、獲得していくものが何か、エリクソンのライフサイクルモデルをもとに解説してあります。途中の過程で、獲得すべきものが欠落すると、その後の歪みが大きくなってしまうのですね。土台がしっかりしていないのに、高層ビルを立てていくと、ある段階で大きな歪みが出たり、崩落してしまうようなものです。
この本に書かれている人生に感謝ができるかどうか、それは、人生の晩年に振り返った時に、実感するものです。人生を統合して、どうかということです。
よく言われるように、いつも何かに感謝しなさいというものではありません。
感謝できるかの、キーは、人間関係。基礎は基本的信頼関係
佐々木先生は一貫して、子どもの成長に最も必要なのは、母親(または母親に代わる養育者)との基本的信頼関係、それは2歳までの体験で決まると主張されています。人生のスタートの時点で、自分は無条件に愛されている、そんな信頼感が得られるかどうかが、大きな分かれ目であると。
人を信頼できるから自分に自信が生まれる
自信があるから、自律(自分を律するですね)できる
自律できるから、自主性が生まれる
このように、少しずつ段階を踏んで成長していくわけです。
最近の若者は、自主性がない!と怒っっている中高年(私の世代か?)の人
今の若者が育った環境、子育て事情を少しみてみると
いや。。自主性の前に、基本的信頼関係が得られてないでしょうということに気がつくと思いますよ
育児不安というほど悲しい言葉を知らない
無意識に可愛いと思い無条件に愛してやれば、健全に育っていくはずの子供です。それなのに、親は不安ばかりを意識させられる。育児が負担という風潮はおかしいですよ。それをいうと攻撃される。それでもいいか子供を守りたい。子供を守るためにはお母さんも守りたいです。ここに先生の社会に対する危機感が表れています。
希望を伝える
後になって基本的信頼関係を築くのは至難の業と言いつつも、
希望を伝えたい
いかに困難であるか、承知したうえで
それでも希望を伝えたい
これはある意味、臨床の真理である
人はわずかでも希望があれば、立ち直れることができると
病気になった人がよく言葉にしますよね。
私もここには大いに共感します。
私は幼い時に父親を亡くしました。まだ8歳でした。それでも基本的信頼を得るには必要充分な時間を過ごせたと思っています。人生のピンチの時、つらくてどうしようもない時には「きっとお父さんがなんとかしてくれるはず、これは何か意味があることに違いない」と、希望につなげることができるのです。子供にもそう言います。「天国のおじいちゃんが、なんとかしてくれるから大丈夫!」と。
そのことで
少しずつ進めるんですよね。
本当に大事なものをプレゼントしてくれたと思っています。
大切なのは
そして、人生の豊かさは、人間関係で決まる
人は人によってしか、生き直しができない
喜びも、悲しみも、分かち合える人がいるのかどうか
そうした関係を築くためには、たくさんの面倒なことがあるし
自分が我慢することもある
一見、自由とは反対かも知れないが
本当の自由とはそんなものだろうなと思う。
悲しいニュースがあります。
これも孤立した社会によるもの
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