リモートワークはコミュニケーションコストが高い?~言語聴覚士のお仕事~
みなさん、こんにちは。障害がある人の就労というのは様々な壁があると思いますが、インターネットやIT技術の進歩により、物理的な障壁については、随分と改善されてきたなと感じることが多くなりました。
その一つが、新しい働き方であるリモートワークです。コロナ禍で、一般就労の人に一気に広がりましたが、リモートワークは障害者の就労拡大の一つの解になると考えています。
身体麻痺があるのに職場がバリアフリーになっていない。麻痺がある、脳疲労がある、体調が安定しない等により通勤が難しい人が在宅で仕事ができます。
他にも、地方在住で通勤圏内に障害者雇用の企業がほとんどない人でも、都市部の企業と雇用契約を結び働くことができます。リモートワークが広がると、障害者雇用の可能性が広がりますね!
リモートワークの落とし穴?コミュニケーションコスト
しかし、ここで問題になるのが、コミュニケーションコストです。
同じ職場にいたら、いちいち言わなくてもいいことを、リモートワークの場合は、相手にきちんと伝えないと、齟齬が生じることが非常に多い。
指示を出す側にしたら、「そんなこと見たらわかるだろう」「空気を読めよ」ということが、伝わらない。
指示を受ける側にしても、「ちょっといいですか、ここなのですが・・」という形での質問ができない。
アメリカなどの多民族国家では、そもそも前提となる認識が異なることが多いので、具体的に言語化して伝える必要があると教育を受けていますし、トレーニングも受けています。しかし、日本では、なんとなくお互い「わかるよね」という感覚に慣れています。なので、リモートワークの場合、ここまで言わないとズレちゃうのか・・と戸惑うことも多いです。
例えば、上司から「あ、犬が吠えてる」と言われた場合。同じ職場にいたら、どんな犬が吠えているか見えますし、上司の表情や、その場の状況から、上司が自分に何を伝えたいのか、だいたい推測できますね。
ドーベルマンが激しく吠えていたら「何かあったのでしょうか?確認してきましょうか」となるでしょうし、チワワだったら「あ、エサかな?私があげてきましょうか」「いつもはおとなしいのに、珍しいですね」など、それなりに予測して行動できます。ところがリモートだと、そもそも犬がドーベルマンなのか、チワワなのか、激しく吠えているのか等、具体的な状況を尋ねて確認、さらに「不審者がいるかも知れないので通報したらよいでしょうか」「餌が不足しているのでしょうか」など、上司が何を自分に期待してるのか、具体的に質問しないとわかりません。もちろん、上司も詳しい状況を伝え、指示だししないと、思うような行動を部下に促せません。
これ、割と面倒です・・おまけに、音声入力にしろ、キーボード入力にしろ、時間がかかる。そして当然、やり取りにタイムラグも生じます。勢い、電話の方が速いわ!という人もいますが、電話が突然かかってくるのも、受け手には迷惑だったりします。
イベントのお知らせ
1月30日(土)13時~から「障害者雇用にも多様な働き方を:仕事と性格をリモートワークに合わせる」というイベントを開催します。
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リモートワークにはメリットがたくさんありますが、夢の方法ではありません。もちろんデメリットもあります。その一つであるコミュニケーションコストについてお話をします。コミュニケーションに難しさを抱える、構音障害や失語症の方にも参考になる工夫をお伝えできればと思います。ぜひご参加ください。
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