最も高次の脳である前頭前野について~言語聴覚士のお仕事~
脳の働き4日目です。今日は高次のさらに高次といわれる、前頭前野についてです。
人間社会が他の動物社会と決定的に違うのは、前頭前野の発達によるもの
人間だけがこれだけ複雑な社会を構成し、文化を継承し、さらにたくさんのものを創造してきた、いえ、創造し続けているのは、この前頭前野の働きによるものです。前頭前野はより良く生きるための脳です。
- 何か問題が起こったときにより良い解決方法を考える
- 将来に備えて見通しを立てる
- 様々なものの中で優先順位を決める
- 新しいものを生み出す
などなどで、赤ちゃんから成人にいたるまで、社会生活の中で獲得していくものです。昨日お伝えした階段の例で言えば
階段の高さを認知して、それにあわせて足をあげるのは、前頭葉の少し後方になりますが
- 急いでるから駆け足で行こう
- 人が多いから注意して端をあがろう
とか、そういうより適切な行動のための判断をするのが前頭前野です。
狭義と広義の高次脳機能
なぜ前頭前野のことをお伝えするかと言うと、狭い意味での高次脳機能障害は、前頭前野の働きを指しているからです。本来は字の如く、高次脳機能障害とは認知機能障害全般を指しますが、狭義では「社会的にうまくやっていけない」障害を指します。とてもプリミティブな社会であればあまり問題になっていないかもしれません。非常に社会が高度化したことで問題が生じているとも言えます。
お知らせ
3月27日(金)19時〜オンラインで「高次脳機能障害の社会的背景と社会資源」についてお伝えします。詳細をお申込みはこちらです→脳ケアゼミお申込み
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