高次脳機能障害って、そもそも何なの??

高次脳機能障害って、そもそも何なの??

今日は高次脳機能障害の「基礎のき」についてお話をします。

私は2018年からNPO法人Reジョブ大阪で、当事者会や啓発活動を、2019年からはくるみの森という会社で、オンライン言語リハを提供しています(くるみの森は2022年から「ことばの天使」に変わりました!)

そうするとこうした質問がたくさん来ます。

  • 高次脳機能障害って治るんですか
  • 失語症は高次脳機能障害なんですか
  • 私は高次脳機能障害なんですか

これは支援者の方からですが「性格じゃなんですか」とか、「発達障害ですよね」とか、高齢者でしたら、「認知症ですよね」とか

こんな質問がよく来ます。

高次脳機能障害は、定義がいろいろ

 

これの答えは、何をもって高次脳機能障害というのか、その人が高次脳機能障害の定義をどのようにお考えなのかによって変わってきます。

なぜかというと高次脳機能障害はいろいろな定義があるのです。

こんな図を作ってみました。

 

最も広く高次脳機能障害を定義している先生がたは、「低次の脳」、こんな言葉はありませんが、つまり以外の動物が持っている脳機能以外は、全て高次脳だよという話をしています。

では、低次の脳は何?っていうことですね。脳幹とか大脳の旧皮質と言われるところが私達の中にあって、身体を動かしたり、光刺激や音刺激などの感覚入力をしたり、覚醒を維持したり、自律神経をコントロールしたり、それは生きる死ぬに関わることを司っています。社会行動といってもせいぜい団体で群れるとか、そのレベルの活動に必要な脳の働きになります。そういった生活をするのに必要な機能のことです。

ところが、人間は、こうした動物と違って、2足歩行を獲得しました。脊椎という骨の上に脳があるので、どんどん重たくなっても支えることができるために、大脳新皮質といわれる脳の部位、特に、頭の前の部分が非常に発達したのです。人間だけが持っているこうした脳の機能を「高次の脳」という先生もおられます。こういう先生がたからすると、精神疾患、知的障害、発達障害、認知症とかも、高次脳機能障害になります。すごい人数になりますよね。

次、もう少し範囲を狭めて脳が器質的に変化したことによって起こる認知障害を、高次脳機能障害という先生もおられます。こういった先生方からすると、変性疾患であるパーキンソン病、認知症も、高次脳機能障害に含まれます(器質的変化の高次脳機能障害)

さらに次、もう少しこんな範囲を狭めて、脳は確かに器質的に変化をしているのですが、それが脳血管疾患だとか脳炎とか、頭部外傷だとかある日突然の発症や受傷です。こうしたある日突然の病気やケガによって起こるものを、高次脳機能障害ですよという先生もおられます(学術的定義の高次脳機能障害)

さらに続きます・・

お知らせ

僕たち若年性認知症と違うのは、「ある日突然、否応なしに自分の変化を見せつけられるのが違いますよね」

こんな会話から始まったのが、こちら、高次脳機能障害×若年性認知症 の就労を考えるオンラインイベントです。働くってなんだろ?

そんなことを最近ずっと考えている私です。今日、明日と、同じ仕事ができることって、実は、当たり前じゃないんですよね。

そんな日々を見つめなおすきっかけになるかもしれません。

11月14日(日)14時~

詳細はこちら→脳コワさんの就労を考える

私の活動をご紹介

 

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