様々な定義がある高次脳機能障害

様々な定義がある高次脳機能障害

引き続き、高次脳機能障害について。

ある日突然、脳卒中や頭部外傷などによって脳が器質的に損傷したことによって生じる場合を、高次脳機能障害と定義する時があります。この中には脳のこの部位が損傷したら、こういう症状が出ますよという、昔からちょっとわかっている「失語・失行・失認」または「半側空間無視」とかそういった古典的な症状があります。比較的早く、こうした後遺症については障害として認められていました。ただ、障害手帳には該当するものがなく、失語症については、障害手帳の中では身体障害者手帳になります。変ですよね。それもかなり重度でも3級です。「全廃」と書かれています。なんかこの言い方は、ひどい・・。そして、日常会話がこまる人は、どうしたらいいの?という感じ。でも、これしかないんです。

こうなると、他にいろいろな症状、例えば記憶障害とか、そうした障害でお困りの人がいるんだけれども、実は失語症じゃないから、手帳の対象となる人がたくさんいました。障害手帳が取れないということは、社会資源が使えないですよね。おまけに、手帳がないってことは、こうした障害があるってことを、国が認めないっていうことなのです。それは困るということで、もっとこういった障害があるんですよっていうことを、長年、関係団体の人達が訴えてきたのです。そして、ようやく、平成13年に国が動き出して、診断基準が定まったのが、行政定義による高次脳機能障害です。失語症を含む古典的な高次脳機能障害を除外しており、この行政定義というのが一番狭い範囲での高次脳機能障害になります。

お知らせ

自分のセミナーのことを忘れていた(笑)

当事者インタビューや、オンライン言語リハを通じて知った、当事者のこまりごと。

「これを病院にいる言語聴覚士さんに伝えたい」「就労支援をしている人に伝えたい」と思っています。

11月13日(土)20時~

詳細はこちら→失語症・高次脳機能障害者の就労におけるこまりごと

 

私の活動をご紹介

 

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