運動性構音障害ってなに?〜言語聴覚士のお仕事〜

運動性構音障害ってなに?〜言語聴覚士のお仕事〜

医療と健康、そしてリハビリの情報〜言語聴覚士というお仕事〜本日もよろしくお願いします。

先日、森ノ宮病院の椎名英貴先生の勉強会に参加してきました。何度も受講していますが、ようやく文章でアウトプットしてみようと思いました。

言葉が話しにくい、運動障害性構音障害(こうおんしょうがい)ってなに?

これまで、聞く、話す、書く、読むが難しくなる「失語症」について書いてきました。

今回は、言葉は思いついているのですが、筋肉の動きが障害されることで発話が不明瞭になる「運動障害性構音障害」について書いてみます。

そもそも、私たちの「声」とはどうやって産生されているのでしょうか。

  • 肺に息を吸い込み、吐き出す(呼吸)
  • 吐き出した息で声帯を震えさせて音を作る(発声)
  • 軟口蓋を閉じたり開けたりして、音が鼻腔を抜けるか、抜けないかで音を変化させる(共鳴)
  • 口唇、舌で音に細かく変化をつける(構音)

これらの過程があります。意識していませんが、とても複雑ですね。

kouzou

そして、運動障害性構音障害とは、「大脳皮質の運動中枢から抹消効果器の筋に至る系のいずれかの病変による、構音器官の運動障害で起こる構音異常の全てに対しての総称」(ダーレイ1975)とされています。

簡単にいえば、大脳皮質の筋肉に運動指令を出す箇所から、脊髄をとおって、筋肉に至る過程のどこかに問題が生じて「発話が不明瞭になっている」ということです。

実は姿勢がとても大切!それは、私たちにも言えること

脳卒中を発症すると、ほとんどの人は手足に麻痺が生じます。それも片方です。左右のバランスが崩れます

さらに、身体を支える筋肉は大脳の左右両方の皮質から支配されているので、どちらかの経路で障害が生じると、腹筋などの働きが低下してしっかりと身体を支えることが難しくなります。

こうして姿勢が崩れてしまうと、しっかり覚醒することができない、呼吸が十分にできない、声帯や軟口蓋、口唇、舌などより小さい筋肉で細かい運動をするができないなど、様々な問題が生じてきます。

まずは、きちんと身体を起こして姿勢を整えることが大事です。

確かに、私たちの周りでも、声が通る人は、姿勢がきれいですよね。クラシックの歌手、アナウンサーの人たちは、スクッと背中がまっすぐ伸びています。

次回、呼吸について書きます。

画像検索者 ヨキンコ

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