消費行動の裏側、貧困問題を考える〜私の行動を変えた本〜

消費行動の裏側、貧困問題を考える〜私の行動を変えた本〜

私は、女性の貧困問題にとても関心があります。特に、幼くして出産し、以後、奴隷のような生活を余儀なくされている多くのママ達です。それは、忘れらない思い出があるからです。

産院のテレビで見た忘れられないシーン

長女を出産したのは地元で評判が高い個人経営の産婦人科病院でした。働いていたので「個室で優雅な出産はご褒美として当たり前」と思って選びました。夜間は赤ちゃんを預かってくれます。豪華な夕食を一人で食べたあと、、暇です。テレビを見てました。ちょうどルワンダの内戦によって、多くの難民が国境を越える場面が出ていました。少女が「夫は生きているかわかりません。さっき、初めての子供をその草むらで産み落としました。」とインタビューに答え、赤ちゃんをぼろぼろの布にくるんで、行列に混じって延々と歩いていました。涙が止まりませんでした。

そのあと、ルワンダ内戦も、実は貧困問題から勃発したことを知りました。それも、グローバル経済によって押し寄せてきたものです。

消費行動の裏側にある貧困問題

昨日、こんな映画を見てきました。ファストファッションの裏側で広がる貧困、そして環境問題。大量生産、大量消費が、どれほどの犠牲の上に成り立っているのかが描かれています。私たちが、どんどん目先の快楽を求めて、すぐに手が出るもので自分の欲望を満たしている裏側では、多くの犠牲が払われているのです。

そして、その犠牲の最たるものは、文化、教育の断絶ではないかと思うのです。本来、貨幣が潤沢になくても回っていた生活が、根こそぎもぎ取られ、幼くして労働に駆り出され僅かな貨幣を稼ぐしか生きる手段がなくなってしまったことも大きな問題で、さらに言えば、その僅かなお金をこれもまたすぐに手に入るちょっとした物を買うことで失ってしまい、貧困の連鎖から逃れられない現実です。大企業の商品を僅かな賃金で生産し、もう一方でそのお金で大企業の商品を買う。

何も彼ら、彼女らには残りません。

その生活を疑う知識、思考能力さえ奪われてしまいます。
かつて、貨幣がない時、どうやって日々の生活を「自分たちで産み出していたか」という知恵、文化も伝承されません。

 

スローフードの奇跡
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この本にはあるエピソードが書かれています。貧困のメキシコ地域を回っていたアングロサクソン系の料理人が、農家の庭先で大量に生えているハーブを見つけて歓喜します。が、農婦はそのハーブを知りません。少し前の世代であれば普通に食卓に乗っていたものです。代わりに農婦はいつもアメリカの企業が生産するパンを買っています。
食の知識、知恵が伝承されないことが、さらに貧困化を進め、結局は、先ほどのファストファッションを作る工場に代表されるような、多国籍企業に働きに出ることになるのです。

貧乏と貧困は違います。

貧困は、お金がなくても生活できる知恵も、そこから抜け出す知識も、そして、自分たちは何であるかというアイデンティティーを形成する文化さえも奪われた状態を指すのではないかと思います。そして、いとも簡単に貧困は作られ、その問題を解決することは、非常に困難です。
私たちが、何かを手軽に消費する行動の裏側には、こういう事実があるということを「しっておくこと」、これがとても大事なことではないかと思います。

そして、もう一つ
スクリーンに映し出された大量消費する側の私たちが、同じように不幸に見えたのも事実です。これについてはまた別で書きます。

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