人間性の未熟さに真剣に向き合ったことありますか?個性豊かな高次脳機能障害者

人間性の未熟さに真剣に向き合ったことありますか?個性豊かな高次脳機能障害者
見えない障害と言われる高次脳機能障害について。私は最近あちこちで話をする。そうすると必ず、もしかして私もそうですかと言う方が現れます。犬も歩けば棒に当たるということわざが脳裏をよぎる
本日も「えーーー!」となった経験を書きます。

実は、私も高次脳機能障害です

私の仕事は言語聴覚士です。非常にマイナーな職種で、ほとんどの人はこの名前を聞いたことがない。なのでいつも自己紹介の時は、言語聴覚士と言う仕事は何かってことを簡単に話すことにしている。そして今、自分が力を入れている高次脳機能障害や失語症と言う人たちは、どういう障害で、どういう症状がある人たちなのかの説明もする。
しかし、先日、NPO法人の事業について相談するためにお尋ねした方は
なんと!高次脳機能障害の当事者だった!
私なんかより、ずーーーーっと詳しい。当たり前だけど。
15年以上前に交通事故で記憶障害、遂行機能障害、そしてやたらと怒りっぽくなってしまったとのこと。ご多聞にもれずですが、診断はつかず、なんだこれ??と思いながらも、仕事をこなすことで精一杯。事故の後、今まで通り仕事ができないことが周囲にバレないように、必死の努力の日々だったそうだ。

最も辛いのが怒りのコントロール

交通事故など頭の外傷で多いのは感情のコントロールが難しくなること
やたらと怒ってしまう、やたらと泣くと言う人は多いのです。何かトリガーがあるのだけれども、それにしてもそんなに怒るのか?と自分でも呆れる位らしいです。1回スイッチが入ってしまうと、もうその時は止められない。その後に非常に後悔するけど、もう止められない。
こちらのブログにも同じような症状のことを書きました→感情の抑制が利かない
認知症の人と違うところはこの怒ったことに対する激しい後悔なのです。
このことにより人間関係に問題が生じるのは頭でわかっているのにどうしても抑えられない。
ここが非常に辛いと何度も何度もお話をされてました

私たちはここまで自分の努力をしている?

そんな彼が語った言葉
高次脳機能障害もありますけど、もともと自分の人間性の未熟さと言うものもありますよね。高次脳機能障害がある程度治らないのであれば、この人間性の未熟さを改善するしかないじゃないですか。
アンガーマネジメントも受けたし、掃除など心を落ち着かせと言われるものも日々のルーティンに取り入れた、そんな学びと実践の繰り返し
彼はそう言って、あるものを見せてくれました。携帯電話につけた鏡です
毎晩この鏡を見て、今日1日、自分はどうだったのかと振り返りをするそうです!
私は驚きました。そんな努力、私たちしてます??
高次脳機能障害によって、やる気が失われている人も多くます
しかし、努力をされている人もたくさん
たくさんいます
そのくらいやらないとダメなんですよ
これも、何度か聞いた言葉。

脳が生まれ変わっていく

この彼が救われたのがあるドクターがおっしゃった言葉
これからいろいろなことが変わっていきます。それは脳が治っていると言う事なんですよ。いちどダメージを受けた脳はもう戻らないのですが、その周りが治ってくるのです。その時にこれまでの自分と違うことがわかりますが、それは治っている証拠ですから安心して喜んでください。
「味覚が変わった、好きな音楽が変わった」
これも他の方からもよく聞きます
で、最後に彼が言ったのは
記憶が悪くなったり、できなくなった事はたくさんあるんですよ
でもね、パッと人の話を聞いてビジネスモデルは考えつくなんて、今までできなかったんです。こういう事はできるようになったんです!これも脳が変わったと証拠だと思っているのです
この方の努力の日々と前向きな姿勢、私も見習いたいと思いました。

最後に

こちら私が関わってるNPO法人「Reジョブ大阪」です。就労について何かご相談があれば連絡ください。当事者だけではなく、高次脳機能障害者が職場にいて、どう対応して良いのかわからないなど、雇用者さまからの相談もどうぞ。

私の活動をご紹介

 

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